5.

水の巫女は、時々、のほとりに立っている。
あの人が戻ってきやしないか と、そう思うのだ。

そういう時は、声をあげて泣きじゃくる。
細い腕で何度ふいても、はとまらない。

 あの男は、戦いを嫌いながら、他人のために戦いを選ぶ男
巫女は思う。
あの時、あの人がどれだけ優しくて自分はなんと
子供だったか
と。

 6.

寝静まった夜。ばあやさんが寝息を立てている隣りで、佳々子は一人、
「…ねえ。キミ。」

佳々子は、独り、口を開いた。

は、喜ぶべきなのかな、それとも…」

「…よろこぶべきだよね。」

「…もう、探すのやめようかな…なんちゃって…



          
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