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第7幕
「フランソワーズ先生。でも、誰もいませんけど。」 空き教室。机も椅子も運び出された教室の真ん中に進んで、原素子はフランソワーズ先生を見た。 フランソワーズは金色の髪の毛を掻きあげ、そして、目を細める。
「原、お前、ちょっと外散歩してきな。」
「いいから、行け。」
原は、教室を出るとき、ちょっとだけ髪を揺らして、一人きりの教室を見た。 さわやかな風が吹いたと、思った。
善行は所在無げに、校庭の戦闘訓練を眺めていた。 まったく僕は軍人になってしまいましたね… 善行は、自分で自分に苦笑して見せたあと、頭を振った。何かするべきではないか、何かするべきだと、少しでも時間があれば行動せよ。それが生き残る道だ。兵は拙速を尊ぶ。 そして頭を振った先に、自分を見つめる視線に気付いた。
少女だった。どう見ても自分よりは年下のような。 |
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