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第17回 (後編)
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 善行の身の回りの世話をする女、石津萌という少女は、太陽が嫌いだった。
白すぎる肌は太陽の光で容易にそばかすになったし、逃げ込む場所も奪うから。

 太陽は正しい。人は昼間に生きるべきだと。誰が決めたのか萌には分からない。
一つだけ分かるのは、それを決めた人は、いじめられたことがなかっただろうという事だけだった。

 冬にホースで水をかけられたことも、髪の毛をむしられたことも、パンツを脱げと言われたこともないのだろう。
 いじめられる方にも問題があると向こうの親に言われたこともないのだろう。それでいて、分かった風なことが言えるのだ。

 萌はそういうことを思う度に自分の顔をかきむしりたくなる。
 頭がぐちゃぐちゃする。自分の気持ちが良く分からない。

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 我に返ると、萌は悲しそうな目の善行に、腕を握られていた。

 皮膚が破れ、血が出るまで自分の顔をかきむしろうとしていたところを、止められたのだった。

 力を抜くと、善行は手を離した。今日は、いつもよりずいぶん早く善行は帰ってきていた。
「最近、発作行動は起きなかったのに、ここ数週間多いですね。何か、あったんですか」
 萌は、首を横に振った。自分でも良く分からなかった。

 善行が仕事に追われているせいかもしれない。自分は、善行の気を引こうとしているのかもしれない。そうも思った。善行は、 好きなタイプではないけれど、でも数年は一緒にいる。

 周囲の誰が見ても誤解するが、善行と萌は、友達だった。
 お互い手ひどく振られ、でも一人きりでいられるほど強くもなく、臆病だから、手近なお互いで済ませることにした。そんな感じだった。
 善行は、二人きりだと良く愚痴を言う。涙を流すことも、いつも自分はこれで正しいのか、自分に人に命じる権利があるのかと、いつもいつも、 そんなことを言うのが常だった。
 萌は答えもアドバイスも知らないので、善行の髪をなでる。そういう間柄だった。

「まあ、でも大丈夫ですよ。気を長く持ちましょう」
 善行は、笑って見せた。善行は、嘘笑いの名人だった。
毎年嘘笑いがうまくなる。きっと戦争の中でも笑うのだろう。萌はそう考える。

「帰って……来……る……のが……はや……いわ」
「無理して喋らなくてもいいですよ。気を落ち着けてください。ええ、私は最後まで約束を守ろうと最善の努力をするんですよ。 早く帰ると言ったでしょう」

 善行は、そう言って笑ってみせた。萌から見ても変な制服で、首から下に重そうなカメラを下げている。
 本当にたった今帰って来たようだった。

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 一方その頃。路地裏で青い光が上がったかと思うと、数名の兵士が殴り倒され、転がされた。冗談のように吹き飛ばされ、 壁に頭をぶつけて意識を失う。
 殴り倒したのは長身の女。名前を、田代香織という。

 田代香織は、不良である。口より先に手が出るのだった。
 その日も、青く輝く拳を振るって学兵四人を叩きのめし、そして、からまれていて、今はおびえている酌婦に目をやった。

「行けよ」
 そういう前に酌婦は逃げている。田代は軽くため息をつくと、自分も逃げ出すことにした。

 田代の髪はオレンジ色で、手入れがなってない。正確にはしようとしているのだが、がさつなので手入れが行き届かないのだった。 スカートは極端に長く、ライダーグローブは真っ赤である。

 すでに市電で戦力を輸送できる段階まで戦線は後退しており、学生の身分のまま戦場に送られた学兵にも、損害は無視できない規模で発生していた。 否、技量未熟で年端も行かぬ者特有の戦意の高さゆえに、数少ない大人の軍人よりも損害ははるかに大きい。

 軍人もただの人間である。そしてただの人間が一番規律と士気を低下させるのは、無残な死体、それも同僚のそれを見たときであるのは、 古今東西違いがない。士気が下がると最初に発生するのは、自暴自棄と略奪、暴行などの民間への犯罪行為と脱走である。守るべきものを守るべき存在が 害する。いかに愛国者が覆い隠そうと努力しても、そういう事態は後を絶たない。

 田代が叩きのめした相手も、そんな人間の幾人であった。

 暴力装置を持つ人間が暴力を振るわずにいるのは難しい。その通り。親父、あんたの言う通りだぜ。
 田代はそう思った。俺もそうだ。たぶん、あんたも。

 田代はため息をつくと、またかけずり回ることにした。やらんよりはマシだ。そう考えている。
 田代は今、憲兵の真似事のようなことをしている。無許可で非合法で、本物の憲兵から見れば先ほど転がした奴らと大して違いがない。 気づけば、不良のレッテルを貼られていた。

 だがそれでも、黙っていられないのだった。

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 場面は変わる。午後三時過ぎである。

 猫の言葉と人間の言葉の両方で、最も新しい正義最後の砦と大書された看板の脇を通り、速水は整備テントに入った。
 いつか看板に相応しい人物になりたいと思う。
 いつになるかわからないが、小さな胸の痛みなく、胸を張って堂々とここに入りたいと思うのだった。

 吊るされている士魂号複座型突撃仕様を見上げる。君もそう思うだろう。なんと言っても、半分はあの人に育てられたんだから。

 士魂号は何も答えない。
 速水は意識を切替えた。そこに舞の姿を見つけたからだった。速水の心が我知らずに躍った。

「芝村、今日はもう帰っていいって」
「ふむ」

 返事は素っ気ない。舞は相変わらず愛機を整備していて、さらに整備するつもりのようであった。我が道を我が作る、地軸は当然我の上という この人物には、滝川がありがたがる指示も関係ないようであった。
 だがそれは、速水には予想されたことだった。
 速水は黙って舞を手伝いはじめる。色気のないことこの上なかったが、速水は気にもしなかった。嬉しそうに作業を始める。

 舞は口を開いた。
「そなたは帰らないのか」
 他人のことを気にしない舞にしては珍しい。速水は、これはささやかな特権だと思った。作業しながら口を開く。
「帰って休んだほうが生き残る可能性が高いのかな。それよりも士魂号が決定的な場面で故障する方が恐いな。足首とか」
「腰もだな」
「うん」

 速水は笑うと、作業を行った。最初生き残りたい一心で始めた戦車整備だが、今はそうでもない。だがやることは同じ。今はもう、 目をつぶってもできる。それでも目を開けているのはこっそりと舞の姿を見るためだった。

「そう言えば、明日、委員長が皆に遺書を書かせるんだって」
「そうか。そなたは誰に書く?」

「僕? いや、僕は、書く相手なんかいないし」

 死んだ本物の速水には家族がいたかもしれない。速水はちらりとそう思ったが、舞は詮索などしなかった。そうか、と言っただけである。

 もとより人の言うことを疑ってかかるようなことはない人物である。その寛容は速水の知る世界を畏れさせるに十分で、裏の事情も 洞察しようなどとはしない。物事を受けいれるようにできてはいても、拒絶するようには、そもそも精神ができていないようだった。
 速水はそれをよく知っていたから、特に何の補足もしなかった。

 代りに少し顔を赤らめて早口で言った。

「僕が遺言を書きたい人はいるけど、たぶんその人は、僕が死ぬ時には死んでいると思うし、だから、書かなくてもいいと思う」
 舞は、重々しくうなずいた。速水は、もとより人の言うことを疑ってかかるようなことはないというのも問題だなと思ったが、舞のことなので、 いや、問題ではないと思った。小細工をする生き方の方が間違っているのだと思うことにする。

 舞は速水の表情でどう思ったか、静かに言った。
「そうか。私も遺言を残したい相手は、すでに墓の下だ。だから書く必要もない」

 舞は人工筋肉を刺激するための電流を調整しながら言葉を続ける。

「それに言っていた。残すものは結果で残せと。だから私は結果を残そうと思う。ささやかかもしれないが、やらないよりはマシだろう」
「そうなんだ」

 速水は舞が遺言を残したい人は誰だろうと思った。考えるにつれ、なんだか腹立たしい気がしてきたが、そのうち一番好きな人が死んでいるなら 僕にもチャンスが、いや、自分はなんと心が醜いのだろうと思った。

 舞は速水に目をやると、子犬がしょげていると思った。速水は子犬に似ている。犬は良い。猫は逃げるが良い。
 舞は、舞としては大変珍しく、少しだけ微笑んで口を開いた。その気になれば高笑い以外もできるのである。

「まだだ、まだ何もかも決まったわけではないだろう。そして、決まっていないことは悪いことではない。速水、努力するがいい」

 そして速水の視線を感じて、ない胸を張った。いつものように誰よりも自然に堂々と。
「そして弱者を守り、天下万民を守り、全ての未来を守るのだ。……他の誰のためでもない。己の趣味、己の誇りのために、守るのだ。 未来というものはすばらしい」
「趣味?」
「自分のやりたいことで得にならなければ皆趣味だ。私は趣味で世界を守る。そなたもどうだ」

 なんという傲慢。速水は笑みを浮かべた。それでこそ舞だと思った。悪びれもしないし、曲りもしない。不撓不屈に際限のない度量と努力、 究極の楽天主義が混在している稀有の人だと、速水は思った。

「そうだね。いいかもしれない。でも、なんで急にそんなことを言うの? それに、なんで僕?」

 舞は考えた。
「そう言えば、そうだな。ふむ」
 舞は真面目に心あたりを考えた後、いつものように率直に話した。
「私はそなたならば、私と似たようなことを思うのではないかと思ったのだ」

 それは完全に舞の勘違いであった。速水は利己的で、ずるがしこい男だった。
 だが、この時だけはそうではなかった。速水はその言葉を誰よりも、言った本人より重く受け止めた。そして頬を真っ赤にして、 言の葉を巡らし、心の底から嘘をつこうとした。

「……そうか、そうなら仕方ないな。あぁ、うん。じゃあ、世界を守るよ。……うん。はい。イエス」

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 一方その頃、加藤はどうにか予算をやり繰りして、明日の夕食は豪勢にしてやろうと四苦八苦していた。
 隊長さんに顔向けできるような、一緒に写真に写ろうと言った彼らのためにも、仕事を熱心にやろうと思ったのだった。

 仕事を熱心にやっていると、岩田に好かれているかもしれないという危険な考えから離れられると、そういう考えも少しはある。

 すき焼きは死守や。 問題は肉だ。

 加藤が腕組みをしていると、ののみがおっかなびっくり、近づいて来た。勲章置きにも使われる盆の上に乗せた湯飲みをひっくりかえさないように やって来たのだった。

「はい、お茶さんなのよ」
「おおきに。ののみちゃんは偉いなぁ」
「えへへ。ほめられるのはね、いいことなのよ。うれしいの」
 ののみの笑顔に加藤も釣られて笑った。
ののみの側では、どんなつらい作業も、さしたることではないような気がするのが不思議だった。

 一休みしよう。加藤はそう思うと、髪を縛る輪ゴムを取った。
「あーもー、忙しいわ。猫の手も借りたいで、ほんま」
「ねこさんのて?」
「そう」

 ののみは大きくうなずいた。決意したようだった。
「うんとね、えっとね、じゃあ、ねこさんにおねがいしてきてもらうのよ。いまはおうたのれんしゅうなの。いってくるね」
「あ、ちょっと、猫の手は冗談や、冗談。あんな、昔から猫の手借りるって慣用句があってな」
「ふぇ?」
「まあ、役に立たないことの例えや」

 ののみはしばらく考えた後、首を横に振った。真面目な顔だった。

 ののみちゃんは、将来きっとすごい美人になるに違いない。
加藤は思った。その真顔は清流のように澄んでいる。

 その清流は口を開いた。
「でも、やらないよりはマシなのよ。ねこさんのてはいみがあるの」

 足元で、旅をする兎ストライダーはののみを見上げると、その言葉にうなずいた。

 そしてまた旅を再開した。

 加藤は野良兎が木の切り株に頭ぶつけてすき焼きにならんかなと思ったが、ののみの表情を見てごめんと謝った。

 そして言葉を続けた。
「まあ、そうやな。でもホントに猫の手借りる前に、自分、もっと努力せんといかんのや」

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 善行が部屋着である作務衣に着替え、和室に座って緑茶をすするころには、萌はなんとか平静になり、このじじくさい軍人は、 やはり自分の好みではないと思った。

 善行は自分をどう思っているのだろう。
 いや、分かっている。善行は神が欲しいのだ。自分を許す偶像が欲しいのだ。別にそれは人形でも写真でもかまわない。

 善行にとっては、私は本当に人形と同じ。座っているだけでいい。実際、私に声をかけているわけでもないのだ。
 私を"借りた"人、それだけが彼の、本当に必要な人。
 それで彼は、十分。彼は十分戦争の英雄になれる。自分は多分、写真でも代用できる程度の人間。写真は掃除も料理もしないだろうが、 善行には自分で掃除も洗濯もできる部下がいる。自分でもできるだろう。単に苦手なことを演じてるだけだ。


 萌は、手を震わせると、このままでは駄目だと思ったが、だからと言って何をできるわけでもない、その勇気もない自分を呪った。

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 その頃、田代は留置場にいた。
 最近は復讐を企てる者が多いので、留置場の方が安全という判断をしていたのだった。
田代という女は、存外知恵が回る。

 憲兵に事件を話し、殴ったことを認めるだけで留置場には簡単に入ることができた。
最近は顔を見せるだけで部屋に案内してくれるほどだった。
 その案内をするのは、決まって年を取った頭痛もちの憲兵だ。田代は、彼が自分のことを上に報告していないことをなんとなく知っていた。
 それで尊敬もしていると言えば嫌な顔をされるだろうから、何も言わないけれど。

 留置場のドアを開けながら、年寄りの憲兵は優しく言った。
「なあ、いい加減、やんちゃなことはやめたらどうだね」

 皮肉に笑う田代。
「そうしたら被害者が減るのかい?」

 なおも優しく、憲兵は言った。
「たった一人で、何ができると言いたいんだよ」

 田代は背筋を伸ばすと――憲兵よりも背が高かった――相手の目を見ながら言った。
「ないよりマシだ。困ったら猫だろうとウサギの手だろうと使うべきなのさ」
 首を振る憲兵。
「そういうことは我々に任せなさい。何も前歴を傷つけながらやることじゃない」

 田代は、この爺さんは結局それが言いたかったのだと納得した。感謝はするが、だが田代はあえて冷たい声を出す。
「あんた達は事前に被害を防いだこと、あったかい?」
「我々は予防逮捕できない」
「それは被害が出てから捜査するって、そういうことだろ」
「何もしていない奴を何もしていないまま罰するよりマシだよ」

 田代はもう話すべきことは終わったとばかりに、留置場に入った。口を開く。
「でも被害者はいるんだ。絶対に」

 そして隅に座った。
 年を取った頭痛もちの憲兵は、苦い顔をすると黙りこくり、留置場の隅でじっとチューインガムを膨らます田代の姿を見てため息をついた。 定年も間近になって、久しぶりに見る筋金入りの根性者だった。なんとか、なんとかしてやりたいと思う。

 そして声をかけた。
「隊長は、お前さんを見放してるよ」
「あんたも見捨てていいんだぜ?」

 田代はそう言って、目をつぶった。

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 同時刻。

 殺風景な家に帰り、母猫と食物を半分ずつにして食べた後、速水は目をつぶって舞を思った。娯楽など何ひとつない部屋だったが、 速水は今日見せた舞の笑顔を思い返し、誕生日が来たように幸せそうに微笑んだ。

 そして考え、思いをめぐらし、そうか、芝村は僕を励まそうとしていたのだと、いまさら思いついた。

 励ましが一緒に世界を守ろうというのはさすがスケールが違うと思い、そして嬉しさに一緒に同居する母猫を抱いて転がりまわった。

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 夕食を済ませると、善行は決まって上座で緑茶を飲む。
 茶菓子を食べる。部隊では同じ和菓子党の瀬戸口がお相手することがもっぱらだったが、家では家令の若宮がその任を受けていた。

 甘いものに一切手をつけず、お茶を飲む若宮。まずい海兵隊のコーヒーが飲みたいと、今も発作的に思うときがある。あれには突撃錠の成分でも 入っていたのだろうか、とも思う。

 若宮は善行が読むところのない新聞を几帳面に読むのを見て、口を開いた。
おかわりのお茶をそっと出す萌に頭を下げる。
「ところでの話なのですが」
「なんでしょう」
 善行は眼鏡を布で拭きながら言った。普段人前では眼鏡を取らない善行だが、家令の若宮や萌の前では別であった。

「もう一人の自分ですが」
「ええ」
「まぎらわしいので、私の方が名前を変えようと思うのですが」

 なにもそこまでしなくてもと善行は思ったが、成体クローンは個性づけが人格安定上最重要だとどこかの本で読んだことを思い出し、 うなずくことにした。
「なるほど。手続きは芝村閥にでもさせましょう」

 家令の若宮はその考えもお見通しだと、うなずいた。
「はい。いいえ。我々は権利として、姓名を変えることができます。裁判所の判断も出ておりますし、お手数はかけないかと」
「それは失礼しました。それで、どんな名前にするのですか」
「よろしければ貴方と萌様から一字ずつをいただいて、宮石忠光としたいのですが」
「ミヤイシタダミツ。僕の名前から取った割には、なかなかいい響きだ」
「は」
「わかりました。宮石。これからもたのみます」
「仰せの通りに」

 家令の若宮が萌を見ると、萌は静かにうなずいた。
 萌としては、断って善行の気分を害するつもりもない。
 いや、実際は害さないだろうし、駄目だといえば二人とも尊重してくれるだろうが、どうにも言い出せないのだった。何故だろう。 自分の気持ちは良く分からない。

 善行に嫌われたくないのだろうか。善行にさして必要ともされていないのに?

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 加害者もいれば被害者もいる。だが世の中の複雑なところは、両方を兼ねる場合もある、という事につきる。

 部隊の宿舎で支給の煙草を吸いながら、田代に殴られた学兵たちもそんな例であった。

「あの女、また出やがった。糞っ」
 忌々しそうにつぶやく男は、一度乱暴した女性に泣き寝入りされたのをいいことに、すっかり味をしめた浅野という人物である。
 ここ最近を田代に妨害され、戦闘の時以外では、そのことばかりを考えている。

「幻獣より憎らしい奴だ」
「今度捕まえてあのなめた面を引っ剥がしてヒィヒィ言わせてやる」
「いいね、それ。俺も乗った」

 どうしようもない人間には、どうしようもない人間が集まる。
浅野は、自分には人徳があると考え、笑って見せた。

「3、4人じゃ勝てねえから、人数で攻めよう」
「4、5人でもだめだろ」
「20人だ。俺は20人集めるぞ。奴をおびき出せ。何人目で奴の股が裂けるか見てみようや」