スラッシュ!”ブリッツクリーク”

 ブリッツクリークは、Aの魔法陣用の(いくつかある)運用教則のひとつで、その名前が示す通りに電撃作戦の道を開くものです。

ブリッツクリークに限らずスラッシュ!はルールではありません。ルールを拡張することも、拡大することもありません。

 広義でのスラッシュ!は、非ルールのノウハウとして各ハウス(セッションデザイナー以下のプレイヤーの集合)がそれぞれ編纂保有するものですが、今回はその一つを明文化して配布を行います。

■ブリッツクリーク導入の効果

 ブリッツクリークを導入することで、以下のプレイヤーが新たにAの魔法陣で遊ぶことが出来るようになります。

  1. TRPG初心者
  2. 時間のない方(あまり遊べない方)

また、多くのセッションデザイナーにとっては独自のスラッシュ!の編纂指針となるかもしれません。

■基本的なゲームの進行形

時間

 このゲームはプレイ時間2時間、実シーン数5、1ターンあたりは2分を目安に処理を進めてください。行動宣言は成功要素作成を含めて1分以内を目安にプレイヤーに指導してください。
 プレイヤーのアクションが2分を越えるようであれば注意し、3分越えではゲームの進行をさまたげるとしてイエローカードを出すように進めてください。

ただし、初心者や異常に緊張したり、プレッシャーに押し潰されそうなプレイヤーに関しては、こっそり20秒程度の免除をみとめ、他のプレイヤーの理解があるようなら、なにか所用を思いつくなりなんなりして適宜時間引き伸ばしをしてください。ただし、ばれないように。セッションデザイナーだけは絶対に公正を守るという態度と演技でゲームに望む必要があります。さもなければゲームが成立しません。

 このゲームにおいて、セッションデザイナーは常に高速の判定と進行を心掛けてください。また、時間切れは事実上のヒーローポイント使用に繋がる局面を多発させてください。

 ブリッツクリークで速度は命です。スピーディでありさえすれば、かなりヘボなセッションデザインでもゲームとして機能を始めます。

 自分の手番でトイレとか言うプレイヤーには、ヒーローポイントを使わせてロールに成功させるように、あらかじめゲーム前に指導しておいてください。

タイムアウト

 主人公はその特権として3回まで、5分の相談時間を与えてください。 トイレや私用電話などはタイムアウト中に行わせてください。

目的

大目的として、セッションの最終目標を最初に明確化して全プレイヤーに周知してください。決してあいまいにしないでください。

 次に、あらゆるシーンにおいて、目的は明示されるべきです。
これも、決してあいまいにしないでください。このゲームであいまいが許されるのは成功要素とヒーローポイントだけです。(その二つすらも、プレイを重ねるごとにままならなくなります)

多くの場合において、時間切れは致命的な結果(死亡か、それ以上)を招くようにシーンデザインしてください。

 目的を達成することがこのゲームの全てであり、演技その他はその上に存在する勝者の余裕であることを明確化してください。

 重要なのはプレイヤーにいつも希望を抱かせてプレイさせることです。
どんなに難しく見えても、必ず突破口はあると信じさせるにたるシーンの設計とハンドリングを心掛けてください。

達成のさせ方

 シーン内では、全ての行動は最終的な目的を達成するためのロール難易度をいかに減らす(これを削りといいます)か、戦力である成功要素を整えさせるかに主眼をおいてプレイヤーを誘導させてください。

削りの例

 ある人物を捜し出す場合、地域を限定して調査するなどを繰り返し、最終的な成功判定の難易度を削って行く。

成功要素を整える例

 ある人物を捜し出す場合、行動宣言のたびにせっせと成功要素をつくっていきます。これで最後のロールにかける訳です。

 一人の失敗はパーティ全体の失敗となるように、可能な限りシーンをデザインしてください。基本は連帯責任です。 このゲームにおいてパーティは運命の鎖で繋がれた同志であり、裏切りも反目も許さないようにしてください。
繰り返しますが、 目的を達成することがこのゲームの全てであり、演技その他はその上に存在する勝者の余裕であることを明確化してください。

時折、ヒーローポイントを消費させなければ絶対にクリア出来ない難易度の成功判定をプレイヤーに要求してください。理由をつけるのが苦手なら、公開状態で、ダイスを二つふって1のゾロ目なら難易度1000を与えるくらいのハウスルールをつけて遊んでもかまいません。
セッション中1、2回不可能難易度をちらつかせるだけで、プレイヤーはヒーローポイントを持つ心の余裕というものを失います。
その上で、このゲームはゲーム本来の姿を取り戻します。おゆうぎとゲームの差は緊張感であることを理解してください。

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