Aの魔法陣もリリースから半年たち、この間にいくつかのニーズがユーザーグループから寄せられました。
そのほとんどは他のTRPGと比較して**を強化してほしいという内容であり、今回はこのニーズに合わせたゲームのバージョンUPを行います。
バージョンアップツールを導入することで、Aの魔法陣は他社同様製品に対する競争力を”多少”身につけます。
Aの魔法陣は商品設計上他のTRPGとの競争を特に考えず、初心者や訓練ツールとして特化して作られています。
これは開発規模、形態から考えて他のTRPGと比較にならないほど貧弱な内容になることと、経営上の目的が他のTRPGと比較してかなり異なることから発生している設計方針ですが、意外なことにリリース後、他のTRPGとの競争を望む声が多く寄られました。既存のTRPGプレイヤーの中にもAの魔法陣に興味を示したり遊ぼうとしていた人が当初の予定よりも多く存在した訳です。
(この辺の経緯はヘッツァーみたいだ)
今回は、これに対応してのルール増強です。
もとよりコンセプトが異なる他のTRPGと比較して、ほんの少しの労力で競争力を与えるのは技術上難しいのですが、ないよりはマシ、程度の増強は望めるでしょうし、それに沿ったBBSの運用によっては、それなりの対処と言えるレベルまでは向上するかも知れません。
当面の目標として、2カ月、つまり10月末を目標として各種の増強を行い、プレイヤー、SDが同程度なら10分の4の確率で他のTRPGに優位にたてる程度に強化したいと考えています。
その第一歩はこの、バージョンアップツールであり、第二歩は世界観です。
他のTRPGも遊ぶ方はバージョンアップツールを導入してみてください。
- バージョンアップツール導入後のバージョンは2.00とします。
- 旧版のデザイナーノートは破棄してください。
あるいは竜と鼠のゲーム。
己を知り、敵を知れば百戦あやうからずという言葉があります。
他のTRPGと比較してAの魔法陣が性能上の優位を得るためには、Aの魔法陣という風変わりなゲームの特性をプレイヤーの中の一人、つまりセッションデザイナーが把握する必要があり、その上でSDが他のゲームでは真似しにくいことをやってみせる必要があります。
それはなにか。
Aの魔法陣は、データを自作できることと、特異点問題を現代において唯一解決しているところに特徴があります。
特異点問題とは分かりやすく言えば極大と極小のどこかで発生する概念のジャンプが発生することを、既存のTRPGの方法論では上手に解決出来ないことをいいます。
特異点問題の例としては、レベルをあげ続けることで崩壊するゲームバランスがあります。
蛙はどこまで訓練しても人間なみの能力は発揮出来ません。が、成長の概念のある多くのゲームにおいてはこれがあやしくなります。これは蛙と人間というスケールの特異点をうまく処理できていないためにあります。
これは成長だけではなく、一個のシステムの守備範囲が大きくなったケースではすべて、発生し得ます。
他の例で言えば折り鶴を作る場合に役に立つアイテム問題があります。
折り鶴を作る際に顕微鏡やピンセットは通常、役に立ちません。これが折り鶴のサイズによっては有用なアイテムになります。例えば1mmの大きさで作る場合です。
同様に折り鶴を作る場合では全く役に立たないはずの能力が役に立つ場合があります。例えば怪力です。これは作る目標の折り鶴が30mの金属板で製作する場合などです。
線形モデルで設計されたこれまでのゲームは、極大と微小の事例を上手に処理できませんし、想定を越える日常的な問題を処理してディティールを説明することも苦手です。
この部分をついたセッションを行う。それがAの魔法陣バージョン2の基本的運用法です。
キーワードは鼠と竜。大と小が入り乱れ、日常的な風景が現出するセッションではAの魔法陣は優位を得ることができます。
Aの魔法陣だけが、TRPGでボーリングでもバザーでも日曜草野球でも簡単に再現することができます。必要であればどこまでも行動宣言を細かく、成功要素を細分化しながらこれが出来ます。
そういう意味で行けばあるキャラクターの平和な日常を描くのにAの魔法陣は向いていますし、同時に、フライパンで拳銃に立ち向かうにはどうしたらいいのかなど、異種格闘技においては無類の強さを発揮します。
既存のルール体系で再現出来ない、一緒におけないシチュエーションをAの魔法陣で遊びましょう。それこそ弱者であるAの魔法陣が他のゲームと互角以上に戦うための基本方策なのです。