気の早い本屋さんの店頭にはもう並んでいるんじゃないかと思います。
いくつか苦労話:
その1.
前後編として続いている話を時間をおいて書くことの難しさを知りました。
前作天空編を読んだ方はご承知と思いますが、ストーリーの展開スピードが早く、登場人物の熱量が高い。
ようするにかなりのハイテンション。
このテンションに僕の精神状態をもう一度もっていくのが思いのほかしんどかったです。
その2.
気分をハイテンションにするだけならさほど大変ではなかったかもしれません。
が、放置したままの伏線を回収するという理詰めの仕事も、ハイテンションを維持しつつ、同時にこなさなければなりません。
実は前作で放置した伏線のうちいくつかは、回収の方法を考えず「だってそのほうが面白い」というノリだけで書いたものでした。
また回収方法を大雑把にイメージしていたものの中にも、ハイテンションで書いたゆえに、あとから考えると矛盾だらけというものも多くありました。
脳の半分をホットに残りの半分をクールに保つというのは、言うのは簡単ですがなかなか難しかったです。
その3.
鬼切り夜鳥子のほうは、巻を追うごとに、書き始める前にわりとしっかりプロットを起こし、資料もそれなりにそろえて書くようになりました。
が、ハルカのほうは緻密さより勢いやライブ感を大事にしたいので、本作でもあまり事前の準備をしませんでした。
ということは、ストーリーが軽快に進んでいるときはいいのですが、主人公が危機に直面し「うわッ、どーしよう!?」と悩んだ瞬間、僕の筆も止まるのです。
この書き方、ある意味書いてる僕もハラハラドキドキで面白いのですが、身体に悪いのでもう二度とやりません。
前作を読まれた方の期待どおりの仕上がりになっていると思います。
楽しんでいただけると幸いです。