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【宣伝】映像メディアのプロになる!【WEB】
桝田 省治

http://www.eizomedia.sblo.jp/
 ↑こいつもバカ(褒め言葉)。
 見ろ、この楽しそうな顔。よほどこの仕事が好きなんだな。
 おっさんは、異国の空の下、風邪をひいてふらふらしてるくせに今日もがんばってる。

パクりに関する個人的見解
桝田 省治

「Twitterにアイデアを書いてパクられないのか?」という声もある。
 だが、僕は逆に「なぜパクらないのだろう?」と不思議でしょうがない。
 たとえば、俺屍では戦闘になる前に3つのスロットが回り、戦利品が事前に決定するというシステムを、戦闘が飽きない仕掛けとして入れた。
 戦利品の良し悪しにより、とるべき戦術が変わるなかなか気の利いたアイデアだと思う。
 だけど、僕の知る限り同様のシステムを模倣したRPGは見たことがない。俺屍でこのシステムの性能は証明されているのだから、僕なら安心して使える部品として臆面もなく取り込むがな。新しく考えるより面白さが安定する。
 だいたい、僕自身、このスロットマシンもどきの演出にしても、戦利品のドロップ確率が逆転する「熱狂の赤い火」(フィーバータイムだ)にしても、パチスロで性能が証明された部品としてパクったわけだ。
 複雑で大きなシステムを組むとき、性能が実証され安定している部品が既存の物から調達できるなら、全体のシステムを組む労力がかなり軽減できる。開発費も下がる。値段も安くなる。なぜパクらないんだろう、本当に不思議でしょうがない。
 パクるなんて、クリエーターとしてのプライドが許さないのだろうか? だとしたら、笑える。「芸術でもやってろ」と言いたい。

 僕の意見では、普通の人の娯楽に対する普通の感覚は「***みたい」というなんとか想像がつく範囲の楽しさか「***さんが面白いって言うから」という追随だ。
 日常が大変なのだから、ゲームをしている間くらい「バカ」でいいじゃないと思う。僕は仕事や学校でがんばって、ゲームをしているほんの数時間だけ「バカ」になる人たちの休息時間を全力で楽しいものにしたい。
 そのためなら、僕は恥も外聞も喜んで捨ててやるし、臆面もなくいいものはパクる。
 もう一度言う。なんでパクらないんだ? 不思議でしょうがないな。

「じゃあ、パクるぜ!」という方への注意。たとえば、先にあげた戦利品を戦闘の前にプレイヤーに提示するアイデア。これをパクるとしようか。
 ほとんどのRPGでは戦闘終了時にプレイヤーの見えないところでサイコロを振って戦利品を決めている。それを戦闘前に移して、プレイヤーの目の前で決めるだけだ。部品を移動するだけだから簡単だ。
 だが、移動しただけでは実はこのシステムの性能の100%は発揮されない。このシステムの面白さ、あるいは意義を支えている他のシステムや演出があって成立している。
 すぐにわかるのは、敵側に、せっかく確定した戦利品を「持ち逃げする」という戦闘行動が組み込まれていること。これがあることを知っているからプレイヤーは、盗られてなるものかと手に汗握る。
 次に俺屍ではアイテムや術などの、正確な数字は覚えてないが、半分以上が店では買えない、戦闘でしか手に入らないものだ。こういう大胆なバランスになっているから、戦利品の獲得に躍起になる。
 三つ目。俺屍は世代交代をメインすえたシステムだが、次世代に遺伝形質以外にお金や技や名前や家宝を継承し、家自体が成長していく。この「継承」という大テーマに、この戦利品を最初に決めるシステムは、合っている。
 こんな風にその面白さがどうして成り立っているのか分析してからパクるといいよ。
 自分が作りたいものに合うところだけ切り取って、さらに他の部品との整合性をちゃんと吟味すること。じゃないと浮くからね。

 ……てなことがまとめてあるのが三月末技術評論社から発売予定の「ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ」だ。
「……な~んだ宣伝かよ」って?
 うん、そう。宣伝だ(笑)。

ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことを 榊一郎著
桝田 省治

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 軌道エレベーター下に建設された平和の象徴たる「べき」理想都市。
 だが、その「べき」を、ぜんぜん平和的でない手段で人知れず必死に守るロボット部隊のパイロットの話だ。

 ダメなところから書くよ。
「人型のロボットで戦うなんて効率がよくないことは百も承知なので、それをなんとか辻褄を合わせるのがスゲー大変だった」と後書きにあるが、それは読者も知っていることだ。苦労したのも読めばわかる。
 だけど、作者は苦労話を読ませたいわけじゃないし、大半の読者もそんなものを読みたいとは思ってない。
 言いたくなるのもよくわかるが、爽快感とかドキドキとか涙とかゲラゲラ、そういうものを売る商売なんだから、夢のない話は言わないほうがカッコイイと思う。

 いや、まあ、僕もつい書いちゃうんだけど、でも、言わない方がカッコイイよ。

 全三話のうち最初の一話は設定説明が多くて、文字を追うドライブ感がイマイチ乗り切れなかった。
 それに映像なら数秒で伝えられる情報を文字で表すと数ページになることがしばしば。ちょっとだれた。
「いいから早く戦えよ!!」とヒーロー物のテレビドラマを見ているガキのような不満がわいた。

 残りの二話は、部隊の面々のキャラも立ってきて、アクションもキレがいい。ちゃんと面白かった。
 たぶん、続きも読むと思う。

ファミ通の新年会に初めて行った
桝田 省治

 毎年招待状をもらうが一度も出たことがなかったのだけど、アルファの佐々木君から久しぶりに会おうと連絡があったので品川まで出かけた。

「Twitterやってないで、うちの仕事早くやってください」と数人から怒られた。だから行きたくなかったんだよ……。

 それと、広井さんに久しぶりに会ったらいきなり抱きしめられた。
 氏のことは兄貴のように大好きだが、正直言うと男に抱きしめられるのは僕はあまり好きじゃないんだ。
 まあ、一年に一回くらいなら我慢するけどね。

 桜井君に会えたらお礼を言うつもりだったのだけど、見つけられなかった。

ジョン&マリー ゲームデザイン脳
桝田 省治

 朝から水玉さんのイラストが数点送られてきて嬉しい。

 といわけで、【ジョン&マリー ふたりは賞金稼ぎ】(ハヤカワJA文庫 2月末発売)の話。
 大き目のRPGのシナリオを依頼されて書いていたとき、世界を救うとか魔王を倒すとかじゃなく、もっと身近で個人的な理由で冒険に出るほうがリアルだなとふと思った。

 で、誰にでもわかる一番身近な目的は金だ。
 ただし、ただ金儲けというのも夢がない。
 貧乏な若い男女が結婚資金を貯めるために冒険に出る。そういう設定なら、なんだか微笑ましいし応援したくもなるかな。そんな風に考えた。

 賞金がかかっている事件に首を突っ込んだり、うわさを聞いてお宝を探したり、水戸黄門みたいに町から町に旅していく。システムを固定してイベントだけ差し替えてケータイアプリで三カ月おきに配信。
 五話か六話貯まったら、PSPかDSあたりに二話追加して移植。
 そんな感じでどうだろう……てなことを考えていたのだけど、目先の仕事に忙殺されてそれ以上は深く考えてなかった。

 去年1月に「透明の猫と年上の妹」夏に「傷だらけのビーナ」(両方エンターブレイン、発売日未定)を書いて、どっちも登場人物の半分ほどが死ぬような話なので、ちょっと疲れた。で、ふと思い出したのが先の「貧乏な若い男女が結婚資金を貯めるために冒険」だ。
 そのとき水玉さんのポップなキャラが頭に浮かんだ。
 で、まともな企画書すら1行も書いていないのに水玉さんに「描いてもらえませんか?」とメールしてみたら、描いてくれた。おまけに出版社まで紹介してもらった。企画書を書いたのはそのあとだ(笑)。こんな調子で決まったので、僕は終始ノリノリで仕事をさせてもらった。
 その雰囲気は、読んでもらえれば伝わると思う。さらには「どうせなら小川一水君に帯の推薦文を頼もう」と、なかば冗談で言ったら、これもすんなり引き受けてもらえた。
 こんな楽しい仕事ばかりならストレスが溜まらないだろうな。……とか言ってたら校正用のゲラが届いた。さて、やるか。


 校正中――
 この歳になると文庫本の校正は辛い。ルビの濁点と半濁点が区別がつかない。濁点と半濁点の違いを強調した「ルビ専」とかいう書体を誰か考案してほしい。
 いつだったか「青野さんや永井さんの原稿は拡大してあげてね」と確か高山みなみに助言された。
「みなみは優しいエエ娘(こ)やのお。うちの息子の嫁に」と惚れたね。
 でもそんな彼女もそろそろ老眼仲間(笑)。


 校正終了――
「ジョンとマリー」には新しい部品はひとつもない。ただし部品の新しい組み合わせのアイデアが2個くらいある。たった2個の組み合わせの新しさだけでも、けっこう面白い娯楽商品は作れる。
 というあたりの方法論を書いたのが、実は3月末に出る【ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ】(技術評論社刊)だ。
 ふ~、次はそっちの校正が待っている。
 自分で書いた文章って、何度も読み直しているとだんだん面白いのかどうか、わからなくなってくるからイヤだ。
 いや、まあ、面倒くさいだけなんだけどな。

 そのジャケットや挿絵を担当しているのが帝国少年さん。
 彼のサイトhttp://tksn.web.infoseek.co.jp/の作品を見ていて「なんかこの絵、昔一度見たことがあるよなあ」と思ったら、八年くらい前に広井さんから二枚ほど都市の緻密な設定画を見せられて「この世界観でゲームにできんか?」みたいな話があって、確か次元を超えるバイクを駆る窃盗団を主役にして、とかなんとか、そんな感じの企画書を書いたことがあったっけな……と思い出した。
 結局その企画はボツったんだけど、「ああ、あのときの設定画、この男だったんかい。へ~、へ~、へ~」と妙な縁を感じた。

 先週、ジャケットのイラストのラフが送られてきた。
 うら若い乙女の首が取れてたよ。いや、まあ、そういうのを頼んだのは僕なんだけど、それでも笑った。
 ちなみにゲームデザインの本なのに帝国少年さんの書き下ろしポスターが付録。
 なんだか制作費のかけ方を間違えてると思うのだけど、たぶんいい感じに間違えてるから、帝国少年さんのファンの方は、ポスターのオマケにゲームデザインの本が付いてきた、でいいよ。
「ゲームデザイン脳」の帯の推薦文をスマブラの桜井くんが書いてくれることになった。
 だけど、僕の予想では彼はきっとこう書く。「帝国少年オリジナルポスター!!」。
 桜井くんも帝国少年さんのイラストが好きらしいんだ(笑)。

Twitter はじめました
桝田 省治

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ShojiMasuda
近頃あちこちから勧められるので試しに始めてみる。とりあえず俺屍2の企画内容を整理するメモ書きにでも使うことにする。
ちなみに上の写真がアイコン。

サラマンダー殲滅 梶尾真治著
桝田 省治

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 夫と子供を殺された普通の主婦が、数々の辛苦を乗り越えて、宇宙規模のテロ組織に復讐する話だ。

 これは面白かった!!
 どんどん使い捨てられる斬新なアイデア、次々に目の前に立ち上がる見たこともない映像。
 これをハリウッド映画でやれば1秒で何億もかかるのだろうけど「書くだけなら紙と鉛筆代だけだぜ、グハハハ」と、なかば開き直った大笑いが聞こえんばかりの大盤振る舞い。
 ここまで徹底的にやれば、小賢しい伏線など不要。
「それ、都合がよすぎ」というツッコミをさせる余裕を与えない怒涛の900ページだ。
 展開はとにかくダイナミックだ。だが、さすがは「黄泉がえり」の梶真。殺伐とした設定なのに登場キャラの多くが優しい人だ。
 こういうトーンは、大好きだ。

 読み終えてふと思った余計なお世話。というか自身の経験と照らし合わせてみてといったほうが正確かもしれないが……、
 これを書いたときの作者は、何があったかは知らないし想像したくもないけれど、実生活がよほど退屈で、頭の中だけでも銀河の彼方に行ってしまいたいほど、現実逃避したい負のエネルギーであふれかえってたんだろうな。
 そうでもなきゃ、こんなもん書けないと、老婆心ながら思う。


 昨日は名古屋まで行って桜瀬琥姫さんと、生姜汁を飲みながらイラストの打ち合わせをしてきた。
「ジョン&マリー」の水玉さん、「ケームデザイン脳」の帝国少年さん、それに「透明の猫と年上の妹」の桜瀬さん。
 僕の勝手な思い込みかもしれないが、お三方ともなんだか打ち合わせが楽しげだった。
 スタッフのノリがいいときは、僕が想定した以上に面白いものができる可能性が高い。楽しみだな。


 帰宅したら、「ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことをⅠ 榊一郎著」がハヤカワから届いてた。
 どうやら僕と担当編集が同じらしい。

ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ/技術評論社
桝田 省治

 やっとタイトルが決まった。
 たぶん3月下旬発売。1500円くらい。
 内容は、僕がどんなときどんなところからゲームのアイデアを見つけてそれをどんな風に具体化していったかの具体例と解説。
 ここの「COLUMN」や「BLOG」と同じようなトーンで書いたので、ためになるかはともかく読みやすいはずだ。

 昨日イラストレーターの帝国少年さんhttp://tksn.web.infoseek.co.jp/と打ち合わせをした。けっこうノリノリで帰っていったので、イラストもゲームデザインの本とは思えないような面白いものになると思う。
 なんと折込ポスター付の大サービス!

 この打ち合わせを含めて昨日は一日で3件、新宿南口の喫茶店を梯子しながら連続して行った。
 ここ数年、午後8時~12時、午前8時~12時の2回に分けて睡眠をとる習慣がついていたのだけど(忙しくなるとどちらかを飛ばす)、昨夜は暖かかったのと歯の噛み合わせが常態に戻ったのもあって、久しぶりに連続で8時間寝た。
 頭はスッキリ。
 が、しかし、8時間続けて寝ると、寝る前に思いついたアイデアを完全に忘れてしまうな。仕事的にはあまりよろしくないね。

●ジョン&マリー ふたりは賞金稼ぎ/ハヤカワJA文庫
 2月25日発売予定 イラスト水玉螢之丞
●ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ/技術評論社
 3月下旬発売予定 イラスト帝国少年
●透明の猫と年上の妹/エンターブレイン
 今春発売予定 イラスト桜瀬琥姫

 おっと、一冊忘れてた。

●傷だらけのビーナ/エンターブレイン
 そのあと イラスト???

日常の謎
桝田 省治

 大晦日にPCが壊れた、その前日だったと思う。
 右下奥歯の詰め物が食事中に突然外れた。
 その場でティッシュに包み、鍵を入れている小銭入れにそのまま入れた。
 で、今日時間が空いたので歯医者に。
 治療用の椅子に座りティッシュの中から外れた金属の詰め物を取り出し医者に渡す。
 医者は、その金属片を右下奥歯の穴に合わせてみようとするが、すぐに取り出して他の歯を点検し始める。
「これは、この歯から外れたものではありません」 と医者は断言。
 鏡で右奥歯を見せてくれた。
 確かに金属片と歯の穴の形がぜんぜん違う。
 それ以前に大きさが違う。
「別の歯から外れたのかと思い、他の歯を見てみましたが、他の歯は異常ありません」
 ちなみに、詰め物が外れてからは意識して左で噛んでいたから、外れたあとに歯の穴の形が変わったとか欠けたということもない。
「一緒に食事をしていたご家族の歯の詰め物が同時に取れて、同じテーブルの上に偶然転がっていた……なんてこと……ありませんよねえ」
 と医者は自分の仮説をその場で否定した。

 謎は三つだ。
・僕の右奥歯から外れた金属片はどこに消えた?
・ティッシュに包まっていた金属片は、誰のどこからいつ外れたもの?
・なぜそれがティシュの中に入っていた?

読書日記
桝田 省治

アップロードファイル 183-1.jpgアップロードファイル 183-2.jpgアップロードファイル 183-3.jpg

●セリヌンティウスの舟 石持浅海著

 謎の自殺を遂げた仲間、それに協力したであろう仲間がグループの中にいる。
 通常のミステリーでは疑うことで謎が解けるのだが、ふたりをとことん信じることで真相が解明する、という逆のアプローチ。
 それに伴う斬新なテーマ。
 何よりその発想を破綻なく一冊のミステリー小説にまとめた腕前。
 へ~~凄いなあ、と感心。

 ただ一点、あえて欠点を挙げるなら、この小説、200ページちょっとの分量でおそらく180ページほどがマンションの一室で行われる会話で構成されているのだが、それにしては、キャラ立てが弱い。
 最後の謎解きの部分を除けば、このキャラだから、気づくこと、気づかないこと、言うこと、言わないこと、このあたりの書き分けがおざなりだ。
 箇条書きにした伏線情報を登場キャラにバランスよく割り振って口調を整えたただけみたいな感じで、やや退屈。
 寡黙な人がひとりいるだけで、ぜんぜん印象が違ったと思う。


●呼人 野沢尚著

 12歳のまま成長が止まった少年の話が1985年から始まって章ごとに7年経過していく。最終章は2010年だ。
 当然、少年の友人や家族は大人になり、あるいは年老いていく。少年だけが変わらない。

 さすがに野沢尚だけあって各エピソードが面白いので最後まで読めてしまうのだが、少年の成長が12歳で止まった経緯が明かされていく件は、細かな設定が却って嘘くさい気がした。
 というか、この話、このテーマには、原因の説明は不要だったのではないかとさえ思えた。

 主人公が見聞きした各時代のニュースは、1960年生まれの僕には、「ああ、そういえばあったな、そういうこと」という話ばかりで、主人公よりは、むしろその周りで歳をとっていく人たちのほうに共感を覚えた。
 その共感は、絵空事の小説を読んでいるのに自分のアルバムをめくるような郷愁に似た不思議な感覚だった。

 それに、読み終えたのにまだ続きがあるような気がして、キレの悪さが心地いいというか、これもまた不思議な感覚だ。


●扉は閉ざされたまま 石持浅海著

 密室殺人なのに最後の最後まで「扉は閉ざされたまま」という、なんとも斬新な発想のミステリーだ。
「セリヌンティウスの舟」もそうだが、よくそんなことを思いつき、それをカタチにできるもんだと感心する。
 ミステリーとしては一級品であることは間違いない。
 けど、読み終えて一言だけ感想を書くなら「そんなヤツはいねえ」だなあ。
 文庫版で追加されたらしい事件前のエピソードも、犯行動機をわかりやすくするためなんだろうけど、蛇足だ。
 それよりも人間をもっと面白く書いてほしい。
 この著者の描くキャラクターは、姿かたちは違っても無臭の人ばかりだ。

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