●双頭の鷲 佐藤賢一著
「傭兵ピエール」が面白かったので、続けて同じ作者の代表作を読んでみた。
こっちのほうが面白いな。
というか「えへ、えへ、えへ」とか品のない笑い方で、馬糞を鷲づかみにするメチャクチャなキャラを“英雄”にしようと思いつき、実行した時点で、エンターテイメントとしてはもう勝ちだろう。
ちょっと反則くさいが、面白ければなんでもアリだ。
しかし、これ、フランス人が読んだら、どう思うんだろうね。
たとえば、源義経や坂本竜馬が、実は、「えへ、えへ、えへ」とか品のない笑い方で、馬糞を鷲づかみにする人物だった……とフランス人が書いたら……。
あ、面白いね、ぜんぜん問題ないや。
●狐笛のかなた 上橋菜穂子著
人外や超能力者が多数登場するわりには、驚くような仕掛けもない収まりのいい話だ。
ポイントは、ストーリーよりも郷愁を感じる世界観だろうか。
空気がとても心地いい。
こんな和の世界観の中で暮らせるゲームならプレイしてみたい。
昨今のゲームは、海外市場を念頭に置いた企画しか通りにくい傾向にある。
が、こういうしっかりした背骨がある和の世界感のほうが、むしろ世界に通用する気がする。
それと、献身的に働く健気な狐の使い魔。
僕も、夜鳥子2巻から準レギュラーで出したけど……やっぱカワイイよ。