(ファラ・フォーセットの訃報が届いた日の日記。ようするに転載し忘れていた)
ファラ・フォーセットは、のちに情報を扱う職業につく僕にとって転換点、あるいは起点となる重要な女性だった。
チャーリーズ・エンジェル放映当時の僕(小学校高学年か中学生かな)ときたら、この女優がなぜ美人なのか、本当にさっぱりわからなかったのだ。
だが、女探偵のアクションドラマの主役に抜擢されているくらいなのだから、少なくともこのドラマが制作されたアメリカの基準では、この人は、すごく美人なのだろうということは子供なりに理解できた。
で、美意識を含め、価値観は非常に多種多様なものだということを痛感したのだ。
さらに、僕にはそう思えないが、この人は役の上で美人であると想像しながら、チャーリーズ・エンジェルを観ていた。
そのため情報を記号として捉え、別の記号に変換、置換する訓練も無意識にできていたと思う。
これは貴重な体験だった。
今改めて当時の写真を見れば、健康的できれいな人だと思えるのだから、僕の美意識が三十年の間に欧米化されたか、あるいは守備範囲が広がったかだろう。