●大久保町の決闘 田中哲弥
先に断っておくけど、この後に続くのは褒め言葉です。
「くっだらねえ!!」
「頭おかしいんじゃねーの」
「ふざけるのも大概にしとけ」
文体の妙や脱線した小ネタの応酬だけで、もっちゃう小説もあるんだなと感心する反面、これを維持するのは理屈ではないだけに、本気でやると身を削るんだろうなと思う。
●慟哭 貫井徳郎著
珍しいと言うほどじゃないけど、構成がちょっと変わっていて、その構成が巧みゆえにオチが薄々わかってしまい、おまけに引っぱった挙句にそのオチがピタッと決まってない気がした。
丁寧で好感は持てるし、面白かったのけど、ちょっと残念。
●冒険商人アムラフィ 中里融司著
やっと手に入れた。楽しみにしていたのに……。
字が小さくて行間がルビで埋まっていて、3ページ読んだだけで目が痛くなってきた。
僕の年齢では、少なくとも蛍光灯の下では読めない。
メガネを新調するか、南の島のプールサイドに行くまで中断。
●龍時01-02 02-03 03-04 野沢尚著
そっか、サッカーで冒険アクション小説って成立しちゃうんだ。
やっぱ、野沢尚さんは只者じゃなかったよ。
スゲ~とただただ感心。
二冊の続編は正当であり、かつ新しいテーマに挑戦している。
素晴らしい。
ふと著者のプロフィールを見たら僕と同じ年に生まれていた。
この龍時03-04の続編の構想や「ライフワークにする」と語ったすぐあとに自殺したんだね。
何があったか知らないけど、今さらながら残念だ。
不謹慎だが、あと30冊くらいは書いてから逝ってほしかったよ。