コナン降板の理由は憶測になるので書かない。
じゃあ、何を書くかといえば、リンダキューブPCエンジン版の音声収録の思い出話だ。
たぶん、1994年だったと思う。
実はその収録日が神谷さんの誕生日だった。
リンダキューブの声優陣は、高山みなみ、矢尾一樹、内海賢二、青木和代、神谷明、増山江威子、青野武、佐久間レイ (敬称略)と目が飛び出しあごが外れるほどの豪華さだ。
もちろん「それなりに」お金もかかってるわけだが、実は「ビックリ」するほどはかかっていない。
これだけの面子ともなれば、お金よりはむしろ大変なのは、スケジュール調整だ。
その予算管理、スケジュール調整をやってくださったのが、上記には出てこない大物声優、賢プロのマネージャーでもある野村道子さんだ。
野村さんはリンダのシナリオを読み、「これは面白い」と言ってくださり、さらには「私が思う最適の人を集めてあげる。大丈夫、任せて」と請けおってくださった。
で、「あなたにピッタリの面白い役があるんだけどやってくれない?」と(たぶんシズカちゃんの声で)電話をかけまくって集めてくださったのが上記のとんでもない顔ぶれというわけだ。
たぶん予算削減のためだろう、収録場所は早稲田あたりの古ーーいスタジオだったと記憶している。
日曜日だった。日曜日はよほどのことがないかぎりレギュラー番組の収録がない。ようするに声優さんも一般人同様、本来はお休みなのだ。
つまり、超お忙しい方々の貴重な休みを返上していただいたことになる。
もちろんそんな無茶ができたのは、野村さんの人徳と豪腕の賜物だ。
で、その日は日曜であるばかりか、神谷さんの誕生日だった。
神谷さんは、ご家族とでかけるレストランまで予約していたそうだ。
なのに、来てくださった。
本当に嬉しかったよ。
拘束時間は1時間ほど。なにしろ、レストランの予約があるから。
結局、30分くらいで終わったと思う。
上記のような面子だと、演出意図の理解も早いし演技が正確だから、NGが異様なくらい少ない。驚異的なスピードで収録が進むんだ。
余談だが、この収録以降、僕はいわゆる新人声優はできるだけ避けるようになった。おかげでネクストキングはギャルゲーのくせに平均年齢が35歳くらい(笑)
神谷さんの拘束時間は1時間。30分で収録が終わったわけだから30分余った。その時間、何があったか?
ここでもさすが野村さんだ。
30分で終わると見越していたのだろう、バースデイケーキが出てきたんだよ!
さらに僕はこのあと、凄いものを聞く。
なんと上記豪華声優陣による合唱「ハッピーバースデイ、トゥユー」だ。
だって、コナンとジャイアンのお母さんとジュドーと則巻千兵衛と峰不二子とピッコロ大魔王とバタコさんに、ワカメちゃんまで加わった合唱なんて想像できるかい?
……とここまで書いて、ふと気づく。
もしかしたら、リンダの収録日は神谷さんの誕生日ではなく、神谷さんのお嬢さんの誕生日だったかも。だとしたら、9月18日じゃないね。
あらら(笑)