●イン・ザ・プール/空中ブランコ 奥田英朗著
デブでオタクでマザコンの奇妙な精神科医が患者を治療する話。
たいへん面白かった。
このキャラと設定を思いついた時点で勝ちだと思う。
続けて直木賞の「空中ブランコ」を読むつもり。
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「空中ブランコ」も読んだ。
表題の「空中ブランコ」という短編はいい話だった。
他の4作も粒ぞろいだったが、前作の「イン・ザ・プール」のほうが面白かったな。
たぶん、伊良部という精神科医の不気味さが前作のほうがインパクトがあったせいだろう。
「空中ブランコ」では、無邪気で憎めないいい人っぽいニュアンスが強まって、なんだか安心して読めてしまうところが予定調和で「異常VS異常」のドキドキ感が薄らいでる。