●魔女の生徒会長 日日日著
この著者の、よく考えてみればどうってことない話をとりあえず盛り上げてしまう文章力にはいつも感心する。
ある意味、あこがれてるかもしれない。
たぶん、そのために読んでいるのだが、残念ながら僕には本作を楽しむセンスがない。
なので、本作を面白いと思う読者の心理を懸命にシミュレーションしながら読みきった。
メチャクチャ疲れた……。
●南総里見白珠伝 米村圭伍著
「大江戸チャーリーズエンゼル」という至極シンプルな趣向でスタートしたコメディタッチの時代劇2作目。
当然ながら本作を買い求めたのは、その趣向が気に入ったファンだ。
本作にもその趣向は随所に出てくるのだが、他にそれだけで別作品が書けてしまうほどの趣向が満載。
それが裏目に出て、ファンが期待している「大江戸チャーリーズエンゼル」というわかりやすさが埋もれている。
面白くないかと言えば、十分に面白い。
だけど、米村先生、サービスしすぎで本末転倒してると思う。
いやまあ、とはいえ、もちろん3作目も買うけどね。
●幽霊人命救助隊 高野和明著
4人の自殺者からなる幽霊のチームが、神様が決めた制限日数内に100人の自殺を止めて回る、という話だ。
自殺や鬱、借金苦、イジメなどデリケートな問題を扱っているが、口当たりのいいさわやかなエンターテイメントになっている。
他人を元気にする小説だ。
こういう効用があるものを僕も書きたい。
読んでよかった。
ちょっと落ち込んだとき、お疲れのときにぜひどーぞ。