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最近読んだ本
桝田 省治

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●蒼夜叉 高橋克彦著

 岡山、香川の怨霊スポット観光案内として面白かった。
 高橋克彦作品を敬愛しているので、小説としての評価は控える。

●XX(エクスクロス)ゼロ 上甲宣之著

 さすがは、命を賭けてババ抜きをする「地獄のババぬき」の著者である。
 僕の最大級の褒め言葉として「こいつ、バカだ」を捧げます。
 内容は、呪いをあやつる者と超人的な肉体を駆使する者、異能者同士のの容赦のない戦い。
 これだけ聞くと、アリがちだと思うかもしれませんが、ふたりとも20代の女性、かつその戦いが、社会的な責任とか正義ゆえでなく、優柔不断なひとりの男性をめぐる三角関係の怨恨。
 その男のために神戸の警官や一般市民を何十人も巻き込みながら、血みどろの戦いを繰り広げる。
 あとは密度、平均して4ページごとに絶体絶命のピンチが、強引にやってくるw

 ジャケットは、まるでホラーですが、中身は違います。
 はっきり言って、このジャケットはマーケットを狭めてると思うな。
 これ、大笑いしながら読む小説だよ。

●蒲公英草子 常野物語 恩田陸著

 超能力者が出てくる物語としては、この「常野物語」のシリーズは、地味な部類だろう。
 そこが好きなのだが、良くも悪くも恩田陸。
 美しい情景描写。
 ゆっくりと流れる時間。
 気が効いた日常のエピソードの数々。
 心に傷を負った善人たち。

 ユラユラユラユラと……体調が悪い時に読むと目まいがしそうだ。
 面白いのだが、何が面白いのかわからない、という点が面白い……のかな(笑)。