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さわやかな風 樹原涼子コンサート
桝田 省治

 恵比寿なんて行くのは、たぶん20年ぶり。
 駅前が様変わりしていて、迷った。

 以下、コンサートの曲順に感想を箇条書き。

・涼子さんは、「ゲームのどの場面で使用されたかわからない」と笑っていた曲は、俺屍の「黄川人のテーマ」だった。黄川人の登場時や最終決戦などで流れている。ピアノソロで聴くとメロディラインがきれいな繊細な曲だとよくわかる。それに切なさが強調されていい感じだった。

・水をテーマにした4曲。映像が頭に浮かぶいずれも個性的な作品群。これは4曲ではなく、1曲につなぐほうが効果的だろう。1曲目が抜群。3曲目は技法が印象的だがややくどい。もっと短くていい。4曲目はもっとゆったりしたテンポのほうがメリハリが出る。4曲目の後に1曲目のテーマに戻って完結すると、テーマがより明解になる。

・「どんな日もどんな日も」。本来は歌詞がある曲だが今回はピアノの独奏。歌っているときより旋律の表情が豊か。逆にいえば、昨日のピアノ演奏のように歌えばもっといい曲になるということだ。

・「春の森」「ゆめはつぼみのなかまです」。悪くない。

・「きりんきりん」。もっとつぶやくように歌ってほしい。

・「旅立ち」。RPGのテーマ曲にぴったり。

・「永き道」。病める時も健やかなる時もという、結婚式の平凡な誓いの言葉にメロディがつくと、意外なほど感動する。定番の言葉には、長く使われている理由と力があるということだろう。

・「花」。個人的には、やっぱりギターがほしい。

・アンコールの曲(タイトルは忘れた)。昨日で一番よかった。

 全体的にバイオリンが新鮮だった。
 涼子さんのコンサートを一言で表せば、贅沢。