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今週読んだ本2冊
桝田 省治

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●てるてるあした 加納朋子著

 両親に捨てられた15歳の少女が見知らぬ土地で周囲の善人たちに支えられつつ成長していくお話、とまとめてしまうと、ありがちであまり面白そうではないが……いいよ、これ。
 加納朋子さんの作品は、けっこう読んでいると思うが、個人的にはこれが一番だった。

 泣きたくなるような生活を送っている人には大した効能はないかもしれないが、最近はため息と欠伸と愚痴ばかりだという人は、婆さんと母親の強さに励まされると思う。

 舞台と登場人物が同じ「ささら さや」も一緒にお薦め。

●ラストソング 野沢尚著

 博多から「天下を取る」を合言葉に上京したロックバンドの青春人間模様。
 10代も20代も「天下を取る」なんて夢を一度も見たことがなく、そのままダラダラと50になった僕は、溢れる熱量にあてられて、胸が熱くなるより先に胸やけがした……。