なんか軸がぶれてるような気がするので、いったんリセットして再考。
具体的な状況を想像してみる。
たとえば、偶然か必然かとにかく主人公(若い男)は、一匹の蟷螂(メス)を助けた縁で、人に変身した蟷螂オンナの「恩返し」を受ける。
ポイントは、この「恩返し」は、鶴の恩返しと違って、蟷螂の価値観に基づく自分勝手な「恩返し」であって、必ずしも主人公の希望と一致しないこと。
場合によっては迷惑だったり、主人公の生命に危険が及ぶことすらある。
蟷螂オンナが人間の男に対してどんな恩返しができるだろうか。
・主人公に近づく危険を暴力で排除。
例。主人公から金を恐喝しようとした不良少年たちを次々に襲い、首を刈るとか。
・もてない主人公とデートする。
蟷螂オンナが擬人化すると、細身で身長が高く足が長い12頭身。細い顎に大きな目。服装は、身体にフィットした草色のワンピース。
ファッションモデルと見まがうばかりのスタイルのいい美人だ。
性格は、肉食系女子に違いない。
・主人公が欲しい物を買ってくれる。
購入資金は、殺した不良少年たちから、戦利品として強奪してる。獲物から奪うことに良心の呵責は一切ない。
蟷螂オンナは、自分の寿命が数カ月しかないことを知っているから、主人公に必死に尽くす。
蟷螂オンナの究極の望みは、主人公と交尾したのちに主人公を食うこと。
蟷螂オンナは、最後の脱皮の時期を迎え、主人公に「数日会えない」と伝える。
だが、主人公は蟷螂オンナを追いかけ、人気のない倉庫に。
果たしてそこで目にした光景は、行方不明になっていた不良少年たちの惨殺死体と、蟷螂オンナの抜け殻。
そして、天井に張りつきこちらを見下ろす一回り大きくなった蟷螂オンナ。
蟷螂オンナは、主人公を襲うが、「身体が大人になってから食いに来る」と言い残し、姿を消す。
……たとえば、こんな話。
ただし、上記のような出会いに話を書くつもりはない。
書きたいのは、そこから数年後。
その後も毎年、蟷螂オンナは夏になると主人公の前に現れる。
もちろん殺人を犯した蟷螂オンナと同一の個体ではない。
が、その記憶は持っている、本質も変わっていない。
……ということを主人公は承知している。
つまりある意味、頭がおかしい犯罪者とそれを受け入れている共犯者。
この妙なバランスで成り立っている共生関係。
書きたいのは、これ。