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10年ぶりにボリショイサーカス
桝田 省治

アップロードファイル 102-1.jpg

 ボリショイサーカスを10年ぶりに観て来た。
 半額で手に入れた正面前から2列目の席だ。

 相変わらず、道具の運びいれと運び出しが見事。
 今日気づいたことメモ。

 前回も今回も最初の出し物は空中の演技だった。
 スタイルのいい女性が空中で回ったり踊ったりで派手。
 ひとりの演技なので視線も集まる。
 時間も短いからあきない。
 つかみとしては申し分ない。

 ……という理由で、この類の演技が最初なのだろうと思っていたが、別の理由もあった。
 最初の演技の時間帯は遅れて入ってくる客が多い。
 で、その人たちが前を通ると一瞬だが視界が閉ざされる。
 前から2列目だとそれがよくわかる。
 だが、空中の演技なら上を向いているから、前を横切る人たちが視界の外。
 なるほど。

 寝転がって足で次々にいろんなものを転がしてみせる演技。
 一番大きいのが人の背ほどある車輪。
 木製の無粋な車輪なのだが、軸の一本にだけ赤いリボンが結んである。これがをなんともオシャレなのだ。
 でもオシャレなだけじゃない。
 この赤いリボンがあるため、車輪の回転の速さもわかる。
 理にかなっている。

 空中ブランコ。
 大別して空中の四箇所にふたりずつが取り付いていて、それがふたつのブランコを使って入れ替わり立ち代わり、空中を移動する。
 もちろん空中ブランコであるから、空中を人間が飛ぶし、その途中で回転したりするわけだ。
 見ている途中でふと疑問に思う。
 なぜ、四箇所も演技の開始場所があるのに、演技の初動を僕は見逃さないのだろう?
 と見ると、次に演技をする人のほうに、その本人以外の人の腕が向いてた。
 どうやら気づかないうちに視線を誘導されていたらしい。

 10頭ほどの虎と調教師。
 ときどき調教師に向かって吼えたり、牙をむく虎が1頭いる。
 調教師がその虎に背を向けたときなど、客席からどよめきが起きる。
 でもよーーく見てると、その虎が一番難度の高い芸をやっている。
 つまり一番訓練が行き届いた、一番慣れているヤツだ。

 真っ白な犬8匹くらい。
 毛並みのいい真っ白な犬の飛んだり跳ねたりが8匹シンクロしていれば、それだけで絵的にはきれいだ。
 だが、若干あきる。
 それをあきさせないのが、同じく真っ白な仔犬。
 演技らしい演技は一切せず、成犬が演技をしているのを追いかけるだけ。
 それがなんともかわいいし、成犬の一糸乱れぬ演技が強調される。
 たぶん、何もしないという、あれも演技だ。

 猫使いがネズミのコスチュームを着てるのは卑怯だと思う。

 あとシーソーを使って人間を空中に飛ばす出し物。
 これも空中ブランコ同様、参加人数が多い。
 次は誰が飛ぶのか、よくわからないはずなのだが、こっちの工夫はまた一味違った。
 花嫁のブーケみたいに、投げられた花束を手にした人が次に飛ぶ。
 だから花束を持ってる人を見てれば、見逃さない。
 花束ってとこがまたいい。


 前にボリショイサーカスに行ったときの感想:
 http://www.alfasystem.net/a_m/column/sub.15.0.htm

 あ、そういえば、ピエロが伸ばしたゴムをわざと顔に当てるギャグ(ゴムぱっちんっていうんだっけ?)をやってた。
 どうやらあのギャグは世界に通用するらしい。