去年から某氏とチョコチョコと話をしていたゲームの企画がお流れになったという知らせが昨夜あった。
楽しみにしていたので非常に残念だ。
大きめの企画なので、当分実現しそうもないから、企画内容を忘れないようにメモがわりにここに記しておく。
大枠は、多人数参加型のアクションRPGだ。
見た目は今どきのMMOを適当に想定してほしい。
本企画のシステムが既存のRPGと大きく異なる点は以下の3つ。
●金は相場で稼ぐ:
本企画でも通常のRPG同様、モンスターを倒したりダンジョンで得たアイテムを換金したり、あるいは依頼を受けて報奨金を得るなどの手段で金を得ることはできる。
ただし、これらの方法で作った金は、本企画では相場を張るためのタネ銭程度の位置づけだ。
つまり、通常のRPGの感覚ではいつまでたっても金持ちになれない。
では何で儲けるかといえば、「相場」だ。
本企画の世界には、大ざっぱに言うと三すくみの関係にある属性が三種類存在する。
この属性は、モンスターの種類、魔法の体系、装備や消費型の魔法アイテムの材料になる「元素」の属性など、この世界のあらゆる要素に共通して存在する。
このアイテムの材料になる元素が、街で取り引きされ、相場が形成されている。
この相場を、全プレイヤーが共有する。
で、簡単に言えば、プレイヤーは、今後値が上がりしそうなアイテムを予想し、相場の安いときにそれを買い、値段が上がったところで売ることにより利益を得る。
さて、相場の上がり下がりはなぜ起きるか? 何を根拠に予想するか?
●生態系への干渉:
先に述べたとおり、この世界では三すくみの関係にあるモンスターが、大別して三群存在する。
(話をわかりやすくするために、三すくみのそれぞれを「グー」「チョキ」「パー」と仮称する)
三つの属性のいずれかをもったモンスターが、各フィールドごとに固有の割合で分布している。
たとえば、湿地帯のフィールドでは、グー6:チョキ3:パー1の比率とか、草原のフィールドならグー2:チョキ3:パー5とか、そんな感じだ。
この比率がプレイヤーが特定の属性のモンスターを集中して狩ることで一時的に変化する。
たとえば、先の湿地帯を例にとると、グーのモンスターを大勢のプレイヤーが集中して倒しまくれば、「グー6:チョキ3:パー1」が「グー2:チョキ6:パー2」の比率に変わる。
上記「金は相場で稼ぐ」の項で書いた「アイテムの材料になる元素」は、原則的にモンスターが落とす。
ということは、どうなるか?
「グー6:チョキ3:パー1」の状況では、パー元素の相場はグーの6倍、チョキ元素の相場はグーの2倍であったものが、「グー2:チョキ6:パー2」になるとグーとパー元素の相場がチョキの3倍に“近いうち”になると予想できる。
(ちなみに元素の相場が変動すれば、それを使って作る武器や魔法アイテムの値段も変わる)
ところが、この“近いうち”が実は曲者だ。グーのモンスターが減ったということは、グー元素の在庫を山ほど抱えているプレイヤーが大勢いるということだ。
誰がいつそれを市場に出すか? 腹の探り合いになる。
また、そうこうしている間に草原フィールドで他のプレイヤー群が、チョキのモンスター狩りを大規模に仕掛けた、あるいは仕掛け「そうだ」という噂を聞いたら、どうなるか?
さっ、想像してみてくれ。
●噂とニュース:
ひとりのプレイヤーがいくらがんばったところで、生態系に与える影響は微々たるものだ。
ということは、他のプレイヤーを自分の思惑に巻き込むか、他のプレイヤーの思惑に乗っかるかだ。
その手段として、チャットで噂を流し、掲示板で同士を募集。
たとえば、有力なプレイヤーが「パーを狩りに行こうぜ」と呼びかけ、数人が賛同しただけで相場が動く。
その連中がダンジョンに行くのを見るだけでまた動く。
相場や生態系に大きな動きがあった場合は、ニュースとして全プレイヤーに公開される。
有力なグループがある属性の元素にどんどん買い注文を出していたら? なにかあると読んで同じものを買う?
また生態系の変化は、気象にも影響を受ける。そのためこの世界内の天気予報は重要な情報だ。
以上