●退屈姫君伝 米村圭伍著
時代物なんだけど、今どきの萌えキャラのイラストに新装すれば、タイプが異なる妙な女の子がふたり出てくるし、ラノベの書棚にあってもおかしくないくらいの軽やかさだった。
本筋の構成はしっかりしていてトリックも小ネタあり大ネタありで気が利いているのだけど、これまた軽やかな数々の脱線が実に楽しい。
続編が2~3冊出ているらしいので、早速注文しようと思う。
面白いですよ。
読~めば(クレしん風なイントネーションで)。
●百舌の叫ぶ夜 逢坂剛著
ほぼ一気に読んだくらいだから、かなり面白かったんだろう。
だが、読み終わって何か残っているかと訊かれれば、ない。
娯楽小説なのだから、面白ければそれで十分だろうと言われれば、そのとおりだ。
でも、僕は自分の創作物が、プレイヤーや読者に、ちょっとくらい何か残せればいいなあと願うし、できればその何かがその人を元気づけるようなものであれば、最高だと思う。
●プリズン・ガール 有村朋美著
なぜか明るくて、やっぱり理不尽で悲しい。
これ、誰か、大真面目にゲーム化してくれないかな。
アメリカの女子刑務所の暮らしを、安全な日本の茶の間で無責任に体験できるとしたら、それは立派なエンターテイメントだと思う。
ヒーローになれなくても「ここよりマシかも」と思えれば、少しは現状を肯定できるしね。
そういうのもアリだろう。