珍しくプロットまで立てた「虫オンナ」がどうやらラノベには不向きらしいので、別の企画を考えてみる。
企画の方法は、ゲームデザイン脳にも書いた企画に詰まったときの方法をそのまま実践し、今回も安直にいく。
題して「もしも○○が女子高生だったら」
ようするに○○に、女子高生から適度に遠いコミックや小説、映画などの有名キャラの名前を入れて、強引にその設定やら目的をつじつま合わせに後付けしていく。
……ということで一発目。
そうだな、先日テレビドラマで実写化されたばかりの「怪物くん」はどうだろう。個人的に藤子不二夫作品の中でもお気に入りの一品だ。
●もしも怪物くんが女子高生だったなら
とりあえず思いつく端から箇条書き。
・女子高生に化けるくらいだ。見た目は10代半ばで性別は女性だ。ということは、怪物界だか魔界だかは知らないが、彼女はプリンセス、次期女王なのだろう。
・小学生から高校生に主人公の年齢が上がっているのだから、人間界に送り込まれた理由も年齢が上がっていたほうがふさわしい。
たとえば、怪物くんが人間の清らかさ、優しさ、強さ、暖かさ等を体験して立派な王になることが期待されていたなら、こちらのヒロインは、逆に“人間の怖さ、したたかさ、弱さ、冷たさなどを実体験して来る”ことが望まれている。
・“人間の怖さ、したたかさ、弱さ、冷たさなどを実体験して来る”ことが目的なら、こちらのヒロインは魔界のプリンセスのほうが都合がよさそうだ。
彼女は「人間は下等だ。騙して魂を奪うくらいはちょろい」と考えてる。
それを現在の女王(母)に「おまえが思っているほど人間は甘くないわよ」とたしなめられるが、ヒロインは自分の意見を変えない。
そこで、「じゃあ人間界に行って、人間と戦って力を証明して見せなさい」と送り込まれる。
・名前がないと不便だな。じゃ、悪魔の姫ということで、とりあえず「阿久野 真姫(あくの まき)」。通称「マキ」
・マキの目的は魔界に帰ること。帰るためには魂を一定数集めなければならない。あるいは、なにか特殊な装置を渡されて、マキが人間をやりこめるとそのカウンターが上がって、その累計が100になったら帰れる、とかのほうがユーモラスでいいかもしれない。
・ついでに特殊な装置には、レーダーも装備されてる。そのレーダーが感知するのは、悪魔もびっくりの人間の邪悪な心(数字で出るので強さがわかる)。ようするに今回のマキの対戦相手が指定される趣向だ。
・で、マキは、レーダーが反応した相手が誰なのかを探しだし、その相手が隠している邪悪な企てを調べ上げて、阻止する。
ただし、殺してしまうと殺伐とするから、イメージとしては「邪悪合戦」(相手を陥れる丁々発止の駆け引き)で、人間に「参りました。今後はまっとうに生きていきます」的なことを言わせたら勝ち。
結果、負けた人間は改心して「いい人」になる。
・
・三匹の従者もマキの通う学校に潜入していて、マキのために情報を集めたり、お膳立てをする。ただし、直接手を出してはならないと女王様に厳命されている。それを破ると、半日魔物の超能力が使えないペナルティが発動する。
・三匹の従者も女かなあ? 守衛やカウンセラーや食堂の調理士として学内に潜入している。
それとも三匹の従者は美男子ばかり……というのもアリか。どっちがオイシイ設定か?
・高校に送り込まれたのは、マキの見た目の年齢が近いのと、思春期の悪意は純粋で、対戦相手として手ごろという親心。だが、女王様も今どきの高校生の邪心を侮っていたことにあとあと気づく。
よしよし、だんだん形になってきた。
じゃあ、ここらで一回まとめてみよう。
女子高生マキは、実は魔界のプリンセス。
本人は、聡明で残酷な悪魔だと自負しているが、魔界の温室育ちなので実態は“甘ちゃん”だ。
そこで、先行きを心配した現女王に「人間の恐ろしさ、したたかさ、冷酷さをその目で見てきなさい」と人間界の高校に送り込まれる。
マキが魔界に戻るためには、悪魔もびっくりの邪な魂をもつ人間を負かさなければならない。
勝つと、女王に渡された特殊な装置のカウンターが上がり、その目盛りが100になったら帰国が許される。
典型的な話の流れは、冒頭で、特殊装置の邪心感知装置が反応。(ただし、個人を確定できる精度はない)
マキは、直ちに三匹の従者を使って情報を収集しターゲット(今回の対戦者)に目星を付け、さらにその人物の周辺を洗う。
虫も殺さぬような人物が理不尽な理由で意外な人を恨んでいて、悪魔も驚くような残酷なやり方で罠にはめようとたくらんでいることが徐々に判明。
マキは、その企みを阻止しようとあれこれと画策する。それはある程度上手くいく。
が、マキの予想を上回る罠が隠されていたり、ターゲットと思われた人物よりさらに邪悪な人物が現われたりで、思惑が外れピンチに陥る。
そこから悪魔らしい容赦のない卑怯な手段を駆使し、心身ともに傷つきながらもギリギリで大逆転する。
……てな感じかな。
・タイトルは「悪魔もビックリ」とか「魔姫マキ」とか、軽いほうがいいか。
次は「もしもドラえもんが女子高生だったなら」かな。
でも、これは既にありそう。
「もしものびたが女子高生だったなら」のほうが面白いかもしれん。