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性描写漫画規制の条例改正案
桝田 省治

 なぜ多くの漫画家がこの法案に反対しているか、誤解があるようなので、というか誤解が起きるように報道されてるので、一般の人向けに大雑把な解説をしておく。
 まず、前提として漫画家の大半は、表現の自由を盾に「性描写はなんでもアリだぜ」なんて、アホな主張はしてない。
 それに、過激な、あるいは倒錯した性描写は、未成年に対して何らかの線引きはいるよね、とも思っている。
 じゃあ、なぜこの法案に反対するのか?
 いくつか論点はあるが、感覚的にわかりやすいところを2点だけ。

・表現の規制じゃなくて、たとえば「売り場を分ける」じゃダメなの? なんで「売り場を分ける」というシンプルな方法を検証しないで、いきなり表現の規制にまで飛ぶの。それ、おかしいだろ?

・百歩譲って、表現の規制が最善の方法だったと仮定して、どこの良識ある賢者が表現規制の基準を示すの? ……と法案の発案者に訊ねてみたら、そのための委員会だか専門の組織だかを作るというあいまいな返答。
 で、その委員会というのが事業仕分けで最近話題の公益法人、ようするにまたしょうこりもなく安定した利権が期待できる天下り先を増やそうって話。
 
 他にも「ポルノと性犯罪の発生件数の相関は、ありそうな気がするだけで実は合理的な根拠がない」とか、いろいろあるのだけど、とりあえず上記の2点だけでも
 うさんくささ、プンプン

昨日読んだ本
桝田 省治

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●街の灯 北村薫著

 昭和初期を舞台にしたミステリーだ。
 探偵役は、上流家庭のお嬢様(高校生)とそのお付きの運転手(武芸百般、頭脳明晰。若くて背が高い男装の麗人)。
 ミステリーの仕掛け自体は、思わずうなるというものではなく、おしゃれで気が利いているタイプ。
 本書を楽しむポイントのひとつは、昭和初期の風物の繊細な描写。
 ただし、これは好きな人は好きなんだろうけど、個人的にはあまり興味がない。
 で、もうひとつのポイント。
 本名別宮(べっく)、通称ベッキーさん。つまり、お嬢様の女運転手。
 凛々しい女運転手は、健気なメイドより破壊力があると思うw
 いや、まあ、こっちも好きな人は好きというだけだが、宝塚の女役より男役に萌える方にはお薦めだ。

今週やることメモ
桝田 省治

先週なんか頼まれたな。忘れそうなのでメモ。

サブイベントの追加。たぶん4つ以上。目的は世界設定の理解促進、主人公ふたりの会話を増やすことで親しみ増、あとは脇役のキャラたて。
問題はメインシナリオの進行を阻害しないようにどうやってはさむか……そんなとこか
追加したサブイベントがメインシナリオの進行を妨げないようにするには……サブイベントの発生~終わりまでをメインシナリオから独立して管理。
てーことは、サブシナリオの発注専用のキャラを作ればいいのか。じゃなきゃ、メインシナリオの時系列を見直して、その時点で暇なキャラを洗い出すか
ま、サブイベント発注専用キャラと暇な既存のキャラ併用だろうな。
じゃあ、サブイベントのネタを考えつつ、時系列ごとの暇人表を作成しよう

なんかもう1件頼まれてる気がする。
あぁ……、ムサビの特別講義ってたぶん今週だ。水曜日だっけ? 
何時にどこに行くか聞いてないな。
とりあえず東松戸~新小平間の時刻表を調べよう。例によって話す中身は何も考えてないけど、たぶん武蔵野線の中で思いつくだろ。1時間くらいかかるはずだから

うへ。うちからムサビまで最短で1時間半もかかる。
新小平の駅前って昼間タクシー停まってるのかな? 
小平のタクシーの電話も調べておくか。
あ~ぁ、面倒くさい。
そういえば松戸からムサビまで通学していた同級生がいた。凄い根性だ……と30年ぶりに驚く

三和八洲交通配車室TEL:0423646000
三幸交通株式会社配車室TEL:0423842100
これでよしと。電車代とタクシー代の往復で5000円。
ちょっとした旅行だな

今週は、toi8さんからビーナのラフがあがってくるはず。楽しみ。

先週読んだ本
桝田 省治

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●ザ・ジャグルⅠ Ⅱ Ⅲ 榊一郎著

 Ⅰは、独創的な設定の説明に終始していて、その独創的な設定ゆえの面白さまでは、絵は示されているが熱量や臭いまでは感じなかった。
 Ⅱは、Ⅰの続きとして過不足なく書くべきことが書いてあった。
 が、型や需要を意識し過ぎたのか、バランスがよすぎるというか、走ろうとしたら右手と右足が同時に出た的なチグハグさを若干感じた。
 Ⅲは、複雑な設定の中で、わかりやすい敵が登場し構造が見通しやすくなった分、いろんな立場の人物の思惑や行動を追いやすい。
 キャラが動きはじめると、もともと骨太な話で役者も揃っているので、文句なく面白い。

 これで折り返し地点くらいなんだろうか。
 助走が長すぎる気もしないでもないが、続きが楽しみだ。

●パレード 吉田修一著

 都内某所の2LDKのマンションで、互いのことをたいして知らない男女4人が暮らしているという、ありえない状況を、リアルなディテールを事細かに積み重ねることで「あるかも?」と思わせてしまう不思議な筆致。
 で、「あるかも?」の境界線を越えたころには、ありえない異常がにじむように少しずつ混入されていて、それに気づいたときにはもう手遅れ。
 フワフワのクレープに包まれていたのは、甘い甘い腐った果実。
 そんな味わいの話。

さわやかな風 樹原涼子コンサート
桝田 省治

 恵比寿なんて行くのは、たぶん20年ぶり。
 駅前が様変わりしていて、迷った。

 以下、コンサートの曲順に感想を箇条書き。

・涼子さんは、「ゲームのどの場面で使用されたかわからない」と笑っていた曲は、俺屍の「黄川人のテーマ」だった。黄川人の登場時や最終決戦などで流れている。ピアノソロで聴くとメロディラインがきれいな繊細な曲だとよくわかる。それに切なさが強調されていい感じだった。

・水をテーマにした4曲。映像が頭に浮かぶいずれも個性的な作品群。これは4曲ではなく、1曲につなぐほうが効果的だろう。1曲目が抜群。3曲目は技法が印象的だがややくどい。もっと短くていい。4曲目はもっとゆったりしたテンポのほうがメリハリが出る。4曲目の後に1曲目のテーマに戻って完結すると、テーマがより明解になる。

・「どんな日もどんな日も」。本来は歌詞がある曲だが今回はピアノの独奏。歌っているときより旋律の表情が豊か。逆にいえば、昨日のピアノ演奏のように歌えばもっといい曲になるということだ。

・「春の森」「ゆめはつぼみのなかまです」。悪くない。

・「きりんきりん」。もっとつぶやくように歌ってほしい。

・「旅立ち」。RPGのテーマ曲にぴったり。

・「永き道」。病める時も健やかなる時もという、結婚式の平凡な誓いの言葉にメロディがつくと、意外なほど感動する。定番の言葉には、長く使われている理由と力があるということだろう。

・「花」。個人的には、やっぱりギターがほしい。

・アンコールの曲(タイトルは忘れた)。昨日で一番よかった。

 全体的にバイオリンが新鮮だった。
 涼子さんのコンサートを一言で表せば、贅沢。