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ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ/技術評論社
桝田 省治

 やっとタイトルが決まった。
 たぶん3月下旬発売。1500円くらい。
 内容は、僕がどんなときどんなところからゲームのアイデアを見つけてそれをどんな風に具体化していったかの具体例と解説。
 ここの「COLUMN」や「BLOG」と同じようなトーンで書いたので、ためになるかはともかく読みやすいはずだ。

 昨日イラストレーターの帝国少年さんhttp://tksn.web.infoseek.co.jp/と打ち合わせをした。けっこうノリノリで帰っていったので、イラストもゲームデザインの本とは思えないような面白いものになると思う。
 なんと折込ポスター付の大サービス!

 この打ち合わせを含めて昨日は一日で3件、新宿南口の喫茶店を梯子しながら連続して行った。
 ここ数年、午後8時~12時、午前8時~12時の2回に分けて睡眠をとる習慣がついていたのだけど(忙しくなるとどちらかを飛ばす)、昨夜は暖かかったのと歯の噛み合わせが常態に戻ったのもあって、久しぶりに連続で8時間寝た。
 頭はスッキリ。
 が、しかし、8時間続けて寝ると、寝る前に思いついたアイデアを完全に忘れてしまうな。仕事的にはあまりよろしくないね。

●ジョン&マリー ふたりは賞金稼ぎ/ハヤカワJA文庫
 2月25日発売予定 イラスト水玉螢之丞
●ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ/技術評論社
 3月下旬発売予定 イラスト帝国少年
●透明の猫と年上の妹/エンターブレイン
 今春発売予定 イラスト桜瀬琥姫

 おっと、一冊忘れてた。

●傷だらけのビーナ/エンターブレイン
 そのあと イラスト???

日常の謎
桝田 省治

 大晦日にPCが壊れた、その前日だったと思う。
 右下奥歯の詰め物が食事中に突然外れた。
 その場でティッシュに包み、鍵を入れている小銭入れにそのまま入れた。
 で、今日時間が空いたので歯医者に。
 治療用の椅子に座りティッシュの中から外れた金属の詰め物を取り出し医者に渡す。
 医者は、その金属片を右下奥歯の穴に合わせてみようとするが、すぐに取り出して他の歯を点検し始める。
「これは、この歯から外れたものではありません」 と医者は断言。
 鏡で右奥歯を見せてくれた。
 確かに金属片と歯の穴の形がぜんぜん違う。
 それ以前に大きさが違う。
「別の歯から外れたのかと思い、他の歯を見てみましたが、他の歯は異常ありません」
 ちなみに、詰め物が外れてからは意識して左で噛んでいたから、外れたあとに歯の穴の形が変わったとか欠けたということもない。
「一緒に食事をしていたご家族の歯の詰め物が同時に取れて、同じテーブルの上に偶然転がっていた……なんてこと……ありませんよねえ」
 と医者は自分の仮説をその場で否定した。

 謎は三つだ。
・僕の右奥歯から外れた金属片はどこに消えた?
・ティッシュに包まっていた金属片は、誰のどこからいつ外れたもの?
・なぜそれがティシュの中に入っていた?

読書日記
桝田 省治

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●セリヌンティウスの舟 石持浅海著

 謎の自殺を遂げた仲間、それに協力したであろう仲間がグループの中にいる。
 通常のミステリーでは疑うことで謎が解けるのだが、ふたりをとことん信じることで真相が解明する、という逆のアプローチ。
 それに伴う斬新なテーマ。
 何よりその発想を破綻なく一冊のミステリー小説にまとめた腕前。
 へ~~凄いなあ、と感心。

 ただ一点、あえて欠点を挙げるなら、この小説、200ページちょっとの分量でおそらく180ページほどがマンションの一室で行われる会話で構成されているのだが、それにしては、キャラ立てが弱い。
 最後の謎解きの部分を除けば、このキャラだから、気づくこと、気づかないこと、言うこと、言わないこと、このあたりの書き分けがおざなりだ。
 箇条書きにした伏線情報を登場キャラにバランスよく割り振って口調を整えたただけみたいな感じで、やや退屈。
 寡黙な人がひとりいるだけで、ぜんぜん印象が違ったと思う。


●呼人 野沢尚著

 12歳のまま成長が止まった少年の話が1985年から始まって章ごとに7年経過していく。最終章は2010年だ。
 当然、少年の友人や家族は大人になり、あるいは年老いていく。少年だけが変わらない。

 さすがに野沢尚だけあって各エピソードが面白いので最後まで読めてしまうのだが、少年の成長が12歳で止まった経緯が明かされていく件は、細かな設定が却って嘘くさい気がした。
 というか、この話、このテーマには、原因の説明は不要だったのではないかとさえ思えた。

 主人公が見聞きした各時代のニュースは、1960年生まれの僕には、「ああ、そういえばあったな、そういうこと」という話ばかりで、主人公よりは、むしろその周りで歳をとっていく人たちのほうに共感を覚えた。
 その共感は、絵空事の小説を読んでいるのに自分のアルバムをめくるような郷愁に似た不思議な感覚だった。

 それに、読み終えたのにまだ続きがあるような気がして、キレの悪さが心地いいというか、これもまた不思議な感覚だ。


●扉は閉ざされたまま 石持浅海著

 密室殺人なのに最後の最後まで「扉は閉ざされたまま」という、なんとも斬新な発想のミステリーだ。
「セリヌンティウスの舟」もそうだが、よくそんなことを思いつき、それをカタチにできるもんだと感心する。
 ミステリーとしては一級品であることは間違いない。
 けど、読み終えて一言だけ感想を書くなら「そんなヤツはいねえ」だなあ。
 文庫版で追加されたらしい事件前のエピソードも、犯行動機をわかりやすくするためなんだろうけど、蛇足だ。
 それよりも人間をもっと面白く書いてほしい。
 この著者の描くキャラクターは、姿かたちは違っても無臭の人ばかりだ。

どっきりホテル
桝田 省治

 テレビのどっきり企画番組の趣向を宿泊客に体験し楽しんでもらうという、正月限定の企画だったらしい。
 僕は、まったくそんなことを知らされずに家族についていっただけなので、正直戸惑った。
 後から考えてみれば、いきなりわけのわからない書類にサインさせられたのは、洒落のわからない客のクレーム対策だったのかもしれない。

 双子の従業員を使った企画は、ベタだがまんまとだまされた。
 一番面白かったのは、大浴場に行ったら、浴室で「全日本温泉水泳大会」が開催されていて、洗い場が観客で埋っていたこと。
 なにしろ、こっちは全裸なのだ。

 ……という夢を今朝見た。

 ついでに数日前に見た夢も書いておく。
 日本人の若い女性と中年男性のタレントが、ジャングルの奥地にあるどこかの裸族の村のお祭りに参加していた。
 そのお祭りは、鳥の求愛行動を真似ているらしく、湖の周囲をぴょんぴょんと跳ね、「ほーほほほ」みたいな感じの奇声を発しながら男性が女性を追いかけていくものだ。
 この格好がまた可笑しかった。
 子供がペンギンのまねをしているように両腕を身体の横につけて手だけを左右に向けて直立した姿勢。
 顔は横を向いていてその方向に跳ねる。高さは50センチほど跳ぶのだけど、進む距離自体はきわめて短い。
 だから、なかなか女性に追いつけないのだ。
 日本人の女性は、ものめずらしさが手伝って現地の男性に大人気。
 何十人もの裸の男が巨大なペニスサックを揺らしながら列をなして跳ね回る。
 その様子を中年男性タレントは、最初はニヤニヤ笑いながらあきれて見ていたが、いつの間にかそのグループに加わって、けっこう本気で追いかけていた。
 なんだか男も女もメチャクチャ楽しげだった。

昨年を振り返りつつ2010年抱負
桝田 省治

 謹賀新年。

 昨年1月2日の日記には「とりあえず、mixiのニュースから強引にネタをひねり出す」とある。
 結果としては、三日坊主ではなかったが2月6日に9個目のネタを書いたところで挫折したらしい。
 だが、とりあえず、1月10日に書いた「【企6】女戦士の苦労話」は、
「傷だらけのビーナ」エンターブレイン(発売日未定)に、
 その2日後12日の「【企7】結婚したいから冒険」は、
「ジョン&マリー ふたりは賞金稼ぎ」ハヤカワJA文庫(2月下旬発売予定)と、一応実を結んだ。
 9個で2個、実質10日で2件なら、ま、企画の採用率としてはいいほうだろう。
 それと、技術評論社の美人編集者の色香に迷って「ゲームデザイン(仮)」という小説ではない本も年末に1冊書いた。
 やったことがない新しいタイプの仕事というのは、勝手がわからないところが面白い。

 さて、今年。
 去年の年末、突然の電話から、思わぬ仕事にあれよあれよという間に巻き込まれて現在忙殺中。正月なんてない。
 久しぶりに大き目のRPGのシナリオを書き始めた。
 大きめだが、いわゆる大作ではなく、連作短編風味だ。
 たぶん、今年のメインの仕事はこれになるだろう。
 今年の年末来年の年始は、これのノベライズを自分で書いてるはずだ。

 それと、去年、こんな方とちょっとだけ知り合いになった。
http://redjuicegraphics.com/
 僕は、この方の描く「目つきの悪い女」が大好きだ。
 で、「目つきの悪い女」というタイトルだけとりあえず決めた。
 内容はまだ考えてない(笑)。
 なんか思いついたら、こっそり書くつもり。

 あとは、今年も企画を考えようと思う。去年の実績から考えれば、数出せばけっこうものになる。