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明日、名古屋の東海学園で講演
桝田 省治

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 …なのだけど、いつもそうだから別に焦っているわけではないが、内容を決めていない。
 だいたい相手がどんな人か見てから決めるし、話の途中で受けない場合、すぐ別の話に変える。
 広告代理店時代からそうだ。
 クライアントの前で、その場の思いつきを、さもとっておきのプランのように喋り、何度か通した。
 一番の不安は、早朝5時半に起きられるかどうかだ。
 就職試験のときは、3割くらいの会社を遅刻した。
 二番目の不安は、名古屋を乗り越さずに降りられるか、どうか。
 愛知県立芸術大学を受験したときは、京都から新幹線に乗って「予想通り」乗り越した。
 次の停車駅は、東京。
 あのときは過ぎ行く名古屋駅のホームを見ながら15分くらいゲラゲラ笑った。
 あ、そうそうファミ通文庫の編集者の粋な計らいにより、来週発売の小説が、数冊ほど先に手に入りそうなので、会場でプレゼントしようと思っている。


鬼切り夜鳥子、扉絵
桝田 省治

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 僕が初めて書いた小説の発売まで、あと十日ほどだ。
 初めてというのは、幾つになってもドキドキする。
 これが実に楽しい。

 ここ二十年でゲーム市場は成長し、それに伴い社会的な影響もしばしば取りざたされるようになった。
 僕も最近は、無意識のうちに「指定年齢」やそれに見合う「表現」を考えるようになっていたように思う。
 今回の小説は、とくにエログロを狙ったわけではないが、久しぶりに、そのあたり好き勝手にやらせてもらった。
 イラストレーターの水玉さんに読んでもらったら「エロかっこいい」との感想をいただいた。
 仕上がりは、そんな感じだと思う。
 楽しんでもらえれば、幸いだ。

 ところで、今回の佐嶋さんのイラストだけど、かなり出来がいい。
 とくに各章の扉絵は、キレ味がいい!
 僕が言うのもなんだけど、小説本体が、万一すべっていたとしても、650円分の価値があると保証する。
 というわけで、ちらりと公開。
 あえて完成版ではなく、ラフ画を見せる理由は、完成版の凄まじさを、自身の眼で確かめてほしいからだ。

 表紙は紅白の背景。セーラー服の女の子の背中が破れて、そこから蜘蛛の刺青が覗いている、の図。
 6月30日金曜日、店頭で見かけたら、よろしく!

首長竜も空を飛んでた?
桝田 省治

 昨今の痛ましい事件で、ピリピリきている妻から厳命を受け、4月から小学生になった娘の送迎をやっている。
 最寄の駅から自宅まで、大人の足なら10分弱の道のりが、娘と歩くと20分以上かかる。
 その間、娘は学校であったことや、最近テレビで観たことを僕に話す。
 たとえば「ツタには吸盤をもつ種類がある」と本に書いてあったとか。
 この件は「ホントかよ?」という僕に、通学路途中の家の塀にへばりついていたツタを虫眼鏡で見せるという実証でもって、僕を納得させた。
 で、問題は昨日。タイトルの話題だ。
 娘が言うには「いわゆる翼竜や始祖鳥とはまったく別の系統で、翼をもつ恐竜が発見された。それは大きさは小さいが、首長竜に属する」らしい。
 情報源はNHKの教育番組だそうな。
「何か勘違いしてるだろ?」と僕が言うと、翼の部分の中指だか親指だかの進化の仕方が、既存の翼竜と根本的に違うのだ、と主張し自宅にたどり着くや、図まで描いてくれた。

 どなたか、この件に関して情報をお持ちの方、いらしたら教えてください。
 僕は気になって眠れません。

お知らせ2件
桝田 省治

●1件目
 6月24日(土)午前10時から、名古屋のどこかで講演するらしい。
 興味のある方は、下記で調べて、勝手にお越しください。たぶんタダだったと思います。
 アルファ・システムに問い合わせないように。

サタデー・プログラム公式サイトリンク:
http://www.satprogram.net/

●2件目
 6月30日(金)ファミ通文庫から発売されるらしい。
「鬼切り夜鳥子 ~百鬼夜行学園~」
 著者 桝田省治 イラスト 佐嶋真美
 650円くらいだったと思います。

発売前までは、以下で試し読みができるそうです。
http://enterbrain.co.jp/fb/hayamimi/

データや算出式の作り方
桝田 省治

 講演のネタのメモ。その2。
 ゲーム内のデータや算出式の作り方の話だ。
 僕の場合、データや算出式を作る前に、再現したい状況を具体的に思い浮かべ、それを適当に数値化する。
 と言われても、よくわからないだろうから例を挙げる。
 そうだなぁ。
 あなたの父親と母親、その力関係をイメージして欲しい。
 両者の力の合計をとりあえず100としようか。
 この力関係は、年を重ねるごとに変化しているだろうし、1日の間でも場面に応じて変わる。
 あるいは家の外と中でも違うかもしれない。
 その状態変化を「給料日前は父65、母35」とか「父の定年後は父42、母58」とかそんな感じで、できるだけたくさん、なるべく具体的に書き出してみる。
 同時に自分以外のなるべく自分と考え方が違う人たちにも同じ作業をやってもらう。
 で、これらの相違点やら公約数がないか調べて、再現したい状況を数値として客観的に見られるようにする。
 この後に、これらの状況を再現できる算出式を考えはじめる。算出式が無理そうなら、表にしてもかまわない。
 経験から言えば、とてもみっともない、複雑怪奇な式ができる。
 でも別にプレイヤーに見えるわけじゃなし“ほんのちょっと”プログラマーがいやがる程度だ。何も問題ない。
 そういえば、小学校の2年生のときに、ライオンとそれに食われるシマウマの数の相関を表した式を見たことがある。
 もちろんその当時は理解できなかったが、僕が想像していたよりシンプルな式だった。
 が、たぶんその式を完成させる途中では、とてもみっともない、複雑怪奇な式だったはずだ。
 ゲームの場合、真理を追究しているわけではなく、とりあえず「らしく」再現できていて面白ければそれでいい。
 式を完璧にする必要はぜんぜんない。
 というわけで、僕は今後もプログラマーに“ほんのちょっと”いやがられる、とてもみっともない、複雑怪奇な式を作り続けるだろう。