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最近読んだもの + 雑記
桝田 省治

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●反乱のボヤージュ 野沢尚著

 連作短編集としての作法をしっかり押さえつつ、手を変え品を変え「お見事」な展開で水準以上の面白さを中盤までキープ。
 最後は期待通りの熱い展開とホッとするオチでまとめて、読み終えてみれば「元は取れた」と言うか「いいお話を読んだ」と言うか……やっぱり野沢尚、さすがにうまいなと感心。
 こういうネタへの興味は、同世代なんだなと感慨深い。


 昨日は、午前10時から午後4時くらいまで、アルファの須田くんと浅草某所で密談。
 もう一度だけ、SCEJに2の企画を出しましょうということだけ決まった。
 そのあと4時半から神楽坂でハヤカワの編集と水玉さんと「ジョン&マリー」のイラストの打ち合わせ。
 水玉さんと会うのは初めてだったので、ちょっと緊張した。
 ぜんざいを食べたのは、たぶん10年ぶりだ。


●サマー/タイム/トラベラー 新城カズマ

 仕事の資料として読み始めた。
 仕事の資料として読むには、かったるい小説で、時間ばかりとられてあまり役には立たなかった。
 だが、学生時代に読んだ懐かしい本のタイトルがあちこちに出てきて、それが過ぎ去りし日々を思い出させてくれて、古い酒をゆっくりと舐めているようでなんとも心地よかった。
 タイムトラベル物のSFやファンタジーが好きな人が、同好のために書いたような小説だ。
 そういう趣味の人にしかお勧めできないが、少なくとも僕は面白かった。
 というか、ヒロイン悠有にちょっと萌えたかも……。でも、犯人探しのいわゆるミステリー部分は、とってつけたようで、ファンの方には申し訳ないが、酷いと思う。

 ちなみに僕がお勧めするタイムトラベル物は、「夏への扉」を別格として除けば、「トムは真夜中の庭で」が一番好き。
 次点は、「ジェニーの肖像」。


●安政五年の大脱走 五十嵐貴久著

 文庫本なので表4に150文字ほど「……という状況で、さてさてどうなりますことやら」と導入部分の設定が書かれている。
 500ページほどの本なのだが、200ページ使って、やっと表4の状況になる。
 そこから先は面白い。
 が、後ろの300ページがいくら面白かろうと、エンターテイメントとして、これじゃダメでしょ。
 冒頭を火事や殺人から始めろとは言わないが、最初の200ページが大して盛り上がらない設定説明やキャラ紹介じゃ、気の短い人は投げるだろう。 
 もちろん、最初の200ページが無駄なわけではなく、後々伏線として機能する情報も多々ある。
 だけど、削れるところはあるし、小説は時系列にそって書かなければならないという決まりがあるわけじゃないのだから、構成を工夫すればもっと「すぐ面白い」作品にできたはずだ。
 せっかく面白い素材なのに、ようするに編集がヘタ、あるいは怠慢だ。

 そういえば、この表紙のイラスト。 こんなシーン、どこにもない。
 ウソも大概にしとけ。

ファンタシースターポータブル2 体験会
佐々木 哲哉

 昨日、遊ING浜線店で、ファンタシースターポータブル2の体験会が行われました。
 2時間ほど居ましたが、多くの方に遊んで貰えたようで嬉しい限りです。
 予約も結構有る様ですし、店長も太っ腹にかなり仕入れてくれるようでした。
 体験会で並んでる人は、ほとんどの方が既に体験版をダウンロードしたりUMD版をお持ちで、並んでる最中も遊んでくれていました。
 後は、発売を待つだけです。

秋の読書
桝田 省治

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●恋人よ 野沢尚著

 油断した。
 娘の塾が終わるまで三時間ほど待っている間、上下巻で600ページ以上あるから、帰りの電車まで何とか暇つぶしにもたせようとゆっくりめで読もうと思っていたのに。
 あまりに面白くて一時間ほどで読み終えて、二時間ぼんやりする羽目になった。
 自分にこんな集中力がまだあるとは思ってなかったよ。

 構成から部品まで、とにかくあざとい恋愛小説だ。
 とくに主人公の手紙の内容。
 思い出しただけで、こういう作り話に引き込まれた自分に腹が立つ。
 こういうもんは読みたい話じゃない。
 書きたい話だ。

 くそ。腹が立つ。
 ホントうまいなあ、野沢尚。
 たぶん、僕が読んでいない彼の著作物はあと2冊か3冊だ。
 生きていれば同い年のくせに。
 それも無性に悔しい。
 こんなに腹が立ったのは久しぶりだ。


●方舟は冬の国へ 西澤保彦著

 PCエンジン版のリンダキューブのキャッチフレーズが、確か「箱船は星の海へ」だったっけなあ……と思いながら読みはじめた。

 赤の他人である成人男性、成人女性、10歳の少女の三名が、とある別荘で夏の一ヶ月間、仲のいい家族の振りをする。
 なぜ、こんなことをしなければならないのか?
 てな、趣向である。

 その答自体は、はっきり言えば「そんなオチかよ(笑)」だった。
 だが、そこに至る寸前までの話はワクワクしたし、ここまで突飛な設定にした段階で万人が納得できる着地点などないに等しい。
 その中で、とりあえず口当たりのいいハッピーエンドだったから、
 まあ、よしとしておく。


●夏のロケット 川端裕人著

 途中で投げた本が三冊ほど続いて、秋だというのに読書意欲が失せ気味になっていたが、

 これは面白かった!!

 高校時代に手製のミニロケットを打ち上げていた少年たちが大人になってもその夢を追い続け、ついに……という話。
 設定自体が「クライマックス」に向けて、ハナからご都合主義な部分はなくはないが、「少年の夢を追いかける大人」というバカ者どもの熱量に当てられて、最後には不覚にも感動までしちゃったよ。


●「明日の水は大丈夫?」橋本淳司著
●「食の冒険地図」森枝卓士著
 という本を技術評論社の美人編集者からもらった。
 ThinkMapというシリーズだそうな。
 両方ともけっこう深刻で複雑な問題が専門家の手で取り上げられているにも関わらず、頭のいい人が書いたんだろうね、すごくわかりやすい文章で読みやすかった。
 それに、知らないことを知るのは、いくつになっても新鮮なもんだと素直に思えた本だった。
 こういうの、中学生の夏休みの感想文の課題にして、図書館に置くべき本なんだろうな。


●赤目のジャック 佐藤賢一著

「片目のジャック」のパチモンみたいなタイトルだなと思って読みはじめた。

 フランス版の土一揆「ジャックリーの乱」
 この「ジャックリー」は、英語なら「ジャック」日本語でいえば「太郎」。
 つまり「特定の主導者がいない反乱」とか「名もない平民の反乱」みたいな意味らしい。
 そのジャックがもしも個人としていたとしたらこんなやつだったろう、という内容の小説。

 傑作だと思う。興奮した。面白かった。
 だが、読んだことを後悔している。
 なんか中途半端に嫌な影響を受けてしまいそうだ。
 たぶん僕が小説に求めてないことが書いてあった。

ファンタシースターポータブル2 体験版
佐々木 哲哉

 11月1日からダウンロード開始されましたファンタシースターポータブル2は、もうプレイされましたか?
 取りあえず、満足されていらっしゃる方が多い様子で一安心しております。
 ですが、私共は、これで満足してはいられないのです。
 今作は、前作とは比べ物にならないくらい力を入れています。
 前作が60万本以上のヒット作ですから、今作はミリオン超えと行きたいです。
 それくらい売れてくれると、アルファ・システムにも利益が出るので、報われます。
 売れて欲しいなぁ。
 いや、売れるだろう。
 って訳で、体験版ダウンロードして面白いと思った人は、教えるなり、PCでダウンロードした人は、コピーして仲間を増やして下さい。
 ほんとうにお願いします。

 マルチの方は、結構面白いのは分かってるので、ストーリーの方を中心にデバッグ調整プレイをさせて貰ったのですが、120時間以上色々遊びました。
 まぁ、デバッグプレイなので色々無駄な時間も使いましたが、面白いです。遊べます。
 ボスキャラが倒せないので、このバランス悪いんじゃない?とディレクターに文句を言ったりしながら、あるアイテムで簡単に倒したりしたこともあります。
 大抵、そんな事を嬉しそうに伝えると、つぶされちゃうんですけどね(苦笑)。
 そんな中、完成してない、止まる事も有る状態でも、結構楽しくプレイさせて貰いました。

 実は、私も11月1日に体験版をダウンロードして遊んでいます。次男のモ○○○専用機だったPSPにも、同じように体験版をダウンロードして、今度は、ファンタシースターポータブル2専用機にさせて遊ばせてます。
 学校でも仲間を作ってくれると嬉しいなぁ。
 いつもは、自分の会社で作るゲームに対して、かなり手厳しい意見を言ってほとんど遊んでくれない子供達ですが、今回のファンタシースターポータブル2は、面白いと言って遊んでくれてます。
 ちなみに、中学生の娘も面白いって言ってくれて涙ものです。
 って訳で、体験版が面白かった人は、製品版は何倍も面白い事は保証出来ますし、遊べますので、取りあえず、騙されたと思って体験版を遊んでみて下さい。
 やっぱり面白く無かった、と言っても無料ですし、その時は、ごめんなさい。謝っておきます。
 そして、体験版が面白いと思った方は、是非予約して置いて下さい。恐らく予約してないと手に入らなくて悶々とすると思いますので(笑)。
 色々書きたいのですが、ネタバレになっても仕方が無いですし、この辺で。

 アルファ・システム初のミリオンセラーになる事を祈って、今度祈願に行ってきます。

ファンタシースターポータブル2 スペシャル体験版配布中!
ニュース

 弊社開発ソフト『ファンタシースターポータブル2』のスペシャル体験版を、公式ページで配布しています。
 プレイステーションポータブルをお持ちの方は、この機会に遊んでみてはいかがでしょうか。

『ファンタシースターポータブル2』
ジャンル:RPG
発売元:株式会社セガ
発売日:2009年12月3日発売予定
プラットホーム:プレイステーションポータブル
©SEGA

ファンタシースターポータブル2

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