●グラスホッパー 伊坂幸太郎著
タイプの違う殺し屋3人の三つ巴戦。
ラッシュライフと同じ多視点のドラマだ。
いくつか時系列を崩してあるが、映画で言うところの編集が巧みなので混乱はない。
キャラが適当にヘンで、台詞がうまい。
ただし、「異能の殺し屋の三つ巴戦」という趣向だけなら、山田風太郎先生の忍者物にはワクワク感が及ばない。
あと、個人的趣味としては、いびつな殺し屋が三人も出てくる話の結末としては妙に道徳的で破綻もなく肩すかしを食らった。
●風の墓碑銘 乃南アサ著
昨夜ゲームのシナリオを書きつつ、煮詰まるたびに気分転換に30ページくらいずつ読んだ。
結局朝方読了。
主人公は女刑事。その相方は男尊女卑のセクハラ親父。
二人の掛け合いと日常の描写が非常にうまいので、派手な銃撃戦とか奇妙な殺人現場とかぜんぜんないが、スルスルと読めてしまう。
600ページほどの本を30ページずつ読んだということは、20回煮詰まったということか。
1回あたり5~6分として、2時間弱のロス。
作業としてはあまり効率がよろしくないな。